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中小企業の競争優位は何か?
中小企業の優位性は、技術的なイノベーションでないことは確かです。
歴史を振り返っても、イノベーションでは大企業や欧米人には遠く及びません。
しかし、「カイゼン」に徹底的に取り組むならば可能性を見出せます。
「マネジメントの父」と呼ばれているピーター・ドラッカーが言うには、「天才になるには才能が必要」です。
しかし、カイゼンで高品質を維持・向上させるだけならば、平均的なレベルの人材に対する意図的に、一貫性をもって、継続的におこなう教育訓練で十分です。
カイゼンを再定義する
カイゼンとは、既存のプロセスや業務の継続的な改善をさす言葉です。 具体的なカイゼン活動には、- 作業手順の見直し
- 5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)活動
- 3M(ムリ・ムラ・ムダ)の排除活動
- プロセスの標準化
- 継続的な改善サイクル(PDCAサイクル)
ただし、私のいうカイゼンは、社内の既存のモノをより良くする「現場レベルのカイゼン」だけではありません。
インターネットやAIやロボットの急速な進展・普及によって市場構造や産業構造が激変しているし、これからはさらに激変します。
ですから、同じことを単純に繰り返すだけでは、高次元の品質の均質性は維持できません。
それは、求められる品質の意味や内容が経営環境によって変わるからです。
そこで必要になるのが、戦略的なカイゼン活動です。
戦略的なカイゼン活動には、ピーター・ドラッカーが言う
- 他社の成功をひと工夫して取り入れる【創造的模倣】
- 他社が開発したけれど放置している技術やビジネスモデルなどを活用する【企業家的柔道】
- 既存製品の【用途開発】
- 既存の製品や技術やサービスと、別の製品や技術やサービスを組み合わせる【新結合】
中小企業の強みを活かす 強い製品やサービスを持つ成長志向が強い企業の周辺には、必ずニッチなニーズ(市場)があります。
言い換えれば、強い製品やサービスを持つ成長志向が強い企業がニッチな市場を開拓してくれるのです。しかし、それらの企業はニーズの存在は認識していますが、成長志向が高い企業にとって、市場規模が小さすぎて対応に値しない規模の市場です。
たとえば、1兆円を目指すトップシェアの企業は効率を求めるので、100億円規模の市場は小さすぎて魅力がありません。
また、1,000億円をめざすのであれば、50億円の市場規模も魅力がありません。
しかし、高収益が見込める市場であれば、ニッチトップ企業でも良いと考える中小企業にとって、大企業が参入しない50億円の市場規模は魅力的な市場です。
このチャンスに取り組むのが、ドラッカーの言う「企業家的柔道」(他社の力を利用して業績を伸ばす方法)です。
また、強みを持つ企業にも環境変化が起こりますが、強力なビジネスモデルに反する変化への抵抗や、既存の範囲でより良いものを求めるお得意様の要望から、変化への対応が遅れてしまいます。
そこにも、ニッチなニーズが多発します。
これらに対応できるのが、中小企業の強みです。
厳しい経営環境ですが、厳しいからこそ新たなチャンスが発生しています。
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2024/08/20 |