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ドラッカーを学び、実践する方法
ドラッカーの特徴
【マネジメント(経営)を発明した男】と言われているドラッカーですが、教授として、経営コンサルタントとしての教え方には特徴がありました。「何をすべきか」は、徹底的に教えたのですが、「どのようにすべきか」の方法論は、各自に考えさせていたというのです。
それは、「何をすべきか」は理論化(標準化・一般論化)できますが、「どのようにすべきか」は個別企業によって違うからです。
また、どのようにすべきかを決めるのは、「経営者の専任事項」だと考えていたのでしょう。
そのため、どのようにすべきかのヒント(切り口)として、
- もし、現在の事業をやっていないとして、新たに取り組むか?
- 顧客は誰か?
- 顧客の購入目的は何か?
- 顧客の価値観は何か?
- 満たされていないニーズは何か?
- 顧客はどこにいるか?
- 顧客にどのようにして到達するか?
- 購入の決定権を持つ人は誰か?
- 拒否権を持つ者は誰か?
- これらに、どのように対応するか?
このような、普段考えてもいなかった視点で質問をし、やるべきことを見つけ出すように指導していました。
どこから手を付けるか
ドラッカーの中小企業への適応に、22年間取り組んできたニッチ先生は、「ドラッカーは、値上げを起点・基点にして取り組むことが、中小企業にはもっとも実践的である」という結論に達しました。これは、「値上げの視点から戦略を考え、値上げの視点からビジネスモデルを組み立てていく」という意味です。
なぜ、値上げを起点・基点にするのか
上記の質問、「顧客は誰か」「顧客の購入目的は何か」「顧客の価値観は何か」「満たされていないニーズは何か」などの質問の重要性は分かるのですが、これらの質問だけでは、どこから手を付けてよいか分からないのが現実です。また、多くの中小企業は、すごい特徴(ノウハウ・魅力ある商品・サービス・提供方法)を持っています。
しかし、すごい価値を提供しているにもかかわらず、それを価格に反映できずにいます。
ですから、提供する価値に見合った価格にまで値上げすることで、高収益体質に転換することができます。
なお、提供する価値に見合った価格にするには、「モノを売る発想」から「価値を売る発想」に転換しなければなりません。
「何を価値とするか」は顧客次第ですから、顧客志向にならざるをえません。
この顧客には、本当に買ってもらいたい顧客という意味です。
顧客志向で提供する価値を高めれば、さらなる「値上げ」も可能になっていきます。
その結果、「良いものは高い」という「価格による独自化や差別化」も可能になり、ブランディングが実現します。
主宰する【藤屋式ニッチ戦略塾】では、特徴を持つ塾生(企業)さんには、必ず「値上げ」するようにアドバイスしています。
その方法論もアドバイスすると、同じ商品・サービス・提供方法でも、メッセージの発信次第で値上げでき、粗利益率が改善するとともに、売上げも伸びていきます。
提供する価値に見合った価格にすることを起点にすると、事業戦略の3要素である「誰に・何を・どのように」が明確に絞り込めるようになります。
また、事業戦略の前提になる「経営環境・事業目的・自社の強み」も明らかにしやすくなります。
そして、戦略に基づく戦術という実務でも、焦点を絞り込むことができます。
こうした手順を踏むことによって、結果的にドラッカーが経営の基本と考える「選択と集中」も実践できます。
また、「選択と集中」をすることで、独自化や差別化が図れ、競争がない市場を手に入れる【ドラッカーの生態的ニッチ戦略】を設計できるようになります。
すべてのことに共通しますが、学んだことを実践するには、「どこから手を付けるか」の切り口(着眼点)が重要です。
とくに、ドラッカーのように経営の基本と原則を教える理論には、「学んだことを実践するためには、どこから手を付けるか」が重要になります。
このような意味からも、ドラッカーで学んだことは、【値上げを起点・基点】に実践してください。
『値上げ戦略』に関心がある方はこちらもどうぞ!
2020/12/25 |