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事業戦略 ポジショニング(競合)分析

ポジショニング分析
 

業界最大手と比較する

ポジショニングとは、市場での地位(違い、差異、ブランド)を確立することです。
私たちは、ポジショニング(競合)分析をするときに、自分たちが競争相手と考えている会社や商品と比べようとします。
しかしそれでは、かぎりなく業界の内輪の話になってしまいます。
業界の外、すなわち、お客様から見れば、よく知らない会社と比べられても意味がありません。

たとえば、工務店であれば住宅トップの積水ハウスと比べることです。
家を建てようとする人で、積水ハウスを知らない人は、まず、いないでしょう。
ですから、比較できるのです。
ところが工務店の経営者は、「自社は注文住宅で、積水ハウスはプレハブ住宅だから、まったく違う」と考えています。
でも、お客様からみれば、どちらも「戸建ての家」です。

積水ハウスは、業界トップの大企業で、ほとんどの部分で優れています。
しかし、大企業だからこそできないこともあります。

プレハブ住宅は、工場でつくり現場で組み立てるものですから、細かな仕様変更はできません。
また、販売に関してもマニュアルが充実しているため、個別対応ができません。
何より、あれだけのテレビCMを流しているように、広告宣伝にお金をかけています。
さらに、会社が大きいだけに間接部門の人件費も莫大です。
そのうえ利益もしっかり出しています。
それら広告宣伝費・人件費・利益のすべてが住宅の価格に含まれています。

そこに、小さな会社だからこそ、優位性を発揮できる「付け入る隙」があるのです。
そこであなたは、『ガリバー旅行記』の巨人の国に行ったことを想定して、大企業が「やりたくてもできないこと」「小さな会社だからこそ上手に対応できること」を特徴として打ち出します。

なお、同規模の同業者は、お客様への至れり尽くせりの対応は、めんどうくさくて嫌がります。
これで独自化の仕組みができあがります。
したがって、こだわりをもつお客様を対象にすることになりますので、価格を引き上げても受け入れてもらえます。
逆に、受け入れてもらう人だけをお客様にしてください。
なにしろ、ニッチなニーズに応えるようにすると、100人から一人だけ、1,000人から一人だけの割合でお客様を選べるのですから!
 

強みは相対的なもので十分である

絶対的な強みがあるのがベストです。
しかし、経営的には必ずしも絶対的な強みは必要ありません。
ペルソナ的なお客様満足を勝ち取るレベルのものがあればOKです。
というのも、強みは努力であり、努力にはコストがかかるからです。

独自化や差別化を図るためには、探求心や向上心が必要です。
つまり、職人気質や技術者魂がなければ、ものごとは上達しません。
しかし、それが過ぎると自己満足のための芸術的な仕事になってしまいます。
芸術的な仕事は、ビジネスの価値観から逸脱しています。
ビジネスは、つねにコスト・パフォーマンスを考えなければならないからです。
 

強みを6つの要素で比較する

強みといっても、漠然としすぎて仕事に置き換えることができません。
そこで、お客様が商品を買うときの選択基準になる6つの要素をピックアップしてみました。
その6つの要素を、独自化レベル、差別化レベル、業界標準、標準以下の4段階でそれぞれ評価していきます。
その6つが、商品特性、提供方法、価格、買いやすさ、イメージ、体験価値です。
この6つの要素で、ライバルとポジショニング(競合)分析をしていきます。
 

独自化レベルがひとつ

対象とするお客様(ペルソナ)が評価してくれ、あなたの会社の望む条件で買ってくれる要素をひとつ持つようにしてください。
これがあると尖った特徴が出せ、独自性を打ち出せます。

【藤屋式ニッチ戦略塾】の塾生さんの京都ラッキーファミリーさんは、ペットホテルはケージフリー(ケージに入れない)を基本にしており、お客様の要望があれば、有料ですが、いっしょに風呂に入ったり、いっしょに寝たりするサービスも選べます。
これは、他のペットホテルではやっていない同社オリジナルのサービスです。

しかし、飼い主さんは、自分の家と同じことをしてくれるので、心おきなく旅行に出かけることができます。
 

差別化レベルがひとつ

独自化レベルがひとつあり、それにプラスして、他社も同じ種類のことをやっているけれど、他社が「そこまでやるか!」と言い、お客様が「そこまでしてくれるの!」と言ってくれる要素がひとつあると、ファンや信者ができます。
 

その他は標準レベルで問題ない

独自化レベルと差別化レベルの要素がひとつずつあれば、他は標準レベルでかまいません。
それで、十分、独自化が図れます。
すべてを良くしようと思うと、力が分散し、特徴が打ち出しにくくなります。
そのうえ、コスト高になってしまいます。
 

標準以下レベルがあると買ってもらえない

ただし、標準以下レベルがあると、他の要素をすべて打ち消してしまいます。
たとえば、料理店で、店の雰囲気が良く、接客が素晴らしくても、料理がまずければ流行(はや)る店になりません。

また、買いやすさが、標準以下レベルであれば、買ってもらえません。
ただし、これもわざと買いにくくして特徴を出す方法もあります。
たとえば、札幌の居酒屋の「T店」(仮名)は、看板も出していません。
また、美容室と書いたドアから入らなければ店に入ることもできません。
コンセプトは「男の隠れ家」です。
「隠れ家 〇〇」という看板を出している店を見かけることがありますが、ほんとうの隠れ家は看板を出したりしません。

しかも、紹介がないと店の存在もわかりませんので、完全にお客様同氏のコミュニティができあがっており、常連客でにぎわっています。
ちなみに、紹介してもらったお客様が、近くまで来たのに店の場所がわからず、電話してくることがよくあるそうです。
 

その特徴はこれからも有効か?

特徴があるからといって、ずっと独自化や差別化を維持できるわけではありません。
私たちが経験したコロナ禍では、突然、お客様がこなくなった。
あるいは、需要がなくなった商品やサービスもありました。
ですから、定期的に「この特徴は、これからも有効か」「有効でないとしら、何を・どう変える必要があるか」を自問自答してください。

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2020/09/29

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