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満たされていないニーズをさがす
◆独占市場は「棲み分け」と「食い分け」でつくる
藤屋式ニッチ戦略のベースになっている「ドラッカーの生態的ニッチ戦略」は、生物学からきています。
地球には、競争力はないけれど、生命力は強い生物が数多く生息しています。
それらは、競争関係になる生物と「棲み分け」、あるいは、違う食べ物を食べることで「食い分け」し、競争状況になることを回避しています。
また、「適所」(もっともふさわしい生息場所)も、成長段階に合わせて変化させています。
たとえば、生まれてすぐは巣穴のみで生活し、成長とともに行動範囲を広げる動物がいます。
また、卵や幼虫のときは水中や土中で生活し、成虫になると地上に生息地をあえる昆虫もいます。
あるいは、宮城県の松島湾に行くと、栄養もなく、水も備蓄できないような小さな島(岩?)が多数あります。そこに、松が生えています。
コアラはユーカリの葉を食べます。ユーカリの葉には毒素があるので他の動物は食べません。
ちなみに、人間が食べているアボカドは、他の動物にとっては猛毒だそうです。
「棲み分け」と「食い分け」の典型は、ジャイアントパンダです。
もともと雑食でしたが、天敵とエサの競合を避けて、山岳地帯に棲むようになり、その寒冷地も枯れない笹を食べるようになりました。
そのため、氷河期を生き残ることができました。
このように、生息地(市場)を変え、食べ物を変えると非競争の状況を創り出すことができます。
このような「棲み分け」と「食い分け」が、藤屋式ニッチ戦略の基本的な考え方です。
つまり、競争力は弱くても、
・市場を絞り込み、
・対象顧客を絞り込み、
・提供する価値をずらし、
・商品と提供方法を変えると、
生命力が強い高収益企業になることは可能だということです。
=つづく=
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2019/10/17 |