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成長という名の罠

成長という名の罠
 

売上拡大が成長なのか?

企業規模の大小に関わらず、経営者を突き動かす原動力は「成長」でしょう。
ほとんどの経営者が、粗利益率や営業利益率が1%下がっても強い危機感を抱きません。
しかし、売上が1%でも下がると大騒ぎになります。
そこで粗利益率を下げてでも、ヒト・モノ・カネ・時間をつぎ込んででも、売上アップに取り組みます。
はたして、これは正しい戦略なのでしょうか?

売上拡大の手段が、市場開拓、商品開発、商品ライン拡大、多角化、相乗効果などです。
これで、ますます経営資源が分散され、追加投資すれば売れる商品の販売促進も疎(おろそ)かになってしまいます。
そのうえ、顧客や市場から見ると、似たり寄ったりの品揃えになって買う気も薄れていきます。
 

売上至上主義からの転換

このような状況に陥らないように、売上至上主義から利益優先主義に移行することです。
これには、「売上がなければ利益もない」「量が質を生む」と反論する経営者もいることでしょう。
しかし、利益を生まない売上に意味はありません。

売上拡大に走るよりも、ニッチトップの事業や商品に焦点を絞り込んだほうが、市場でのポジショニングを確保できます。
ポジショニングが確保できると、粗利益率を大幅にアップできます。

ちなみに、大企業や零細の家族経営では、低価格帯でのポジショニングが可能かもしれません。
しかし、中小企業になると低価格帯でのポジショニングでは利益を出せなくなります。
なぜならば、貴社ができる低価格帯は、他社にもできるからです。

他社が低価格に追随すれば、粗利益率が下がっただけで売上増は望めません。 逆に、対象顧客を絞り込み、その顧客が望む高品質の商品だと分かる価格帯に引き上げたほうが、粗利益率アップとともに売上増も望めます。

これが中小企業の現実です。
 

中小企業の成長はニッチトップ戦略で!

したがって、ニッチトップを戦略の基本的な考えにすることです。
なお、ニッチトップ戦略とは、「常識・当たり前・前例を疑い、経営のスタンスを変え、市場でのポジショニングを変え、商品や提供方法を変えてニッチトップに立ち、粗利益率を20%アップさせる、中小企業にとって最良の事業戦略」のことです。

ニッチトップ戦略には、
◆非競争市場でオンリーワンになる。
◆弱競争市場でニッチトップに立つ。

の2つの方法があります。
あなたの市場を細分化すれば、どちらかの市場は必ず見つかります。

そして、ニッチトップへの意思決定が、売上拡大では得られない、本当の競争力(独自化や差別化)をつけてくれます。
 

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2023/11/21

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