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コンセプトとは

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良いコンセプトの事例

事業目的は、経営理念と混同されています。
そこで、事業目的はコンセプトとほぼ同意語ですから、事業目的を「事業のコンセプト」と言い換え、実際につくったコンセプトが機能するかどうかを、花王のヘルシア緑茶を事例に、10の視点からチェックしてみましょう。

なお、コンセプトには「会社のコンセプト」「事業のコンセプト」「商品のコンセプト」の階層があります。そして、それぞれに戦略性をもたせる必要があります。
ちなみに、ヘルシア緑茶を製造・販売している花王グループのコンセプトは、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献するです。
花王グループ全体のコンセプトと、ヘルシア緑茶の商品コンセプトである体脂肪が気になる方へとは、抽象度が大きく違います。
これが大きな会社のコンセプトの特徴です。

中小企業では単一事業がほとんどですから、弊社のコンセプト、「中小企業の既存事業の粗利益率アップを支援する」くらいの具体性があったほうが、社内の意思統一も図りやすいし、対象とするお客様にも伝わりやすくなります。
 

その1:ニーズはあるか?

最初のチェック項目は、ニーズ(買いたい人)についてです。
ニーズがなければ売れません。
男性でも「楽して肥満を解消したい」と考えている人は多いので、必ずニーズはあります。
 

その2:主張が明確でわかりやすいか?

ヘルシア緑茶のコンセプトの「体脂肪が気になる方へ」は、対象顧客が明確です。
また、購入目的も「ダイエット効果」と主張が明確です。
 

その3:戦略的なイメージか?

戦略の3要素は、「市場」「商品」「流通チャネル」です。
ヘルシア緑茶の対象市場は「健康市場」で、提供する価値は「脂肪の吸収を抑えるダイエット効果」、商品は「飲料水」、発売当初の流通チャネルは、価格をあまり気にしない男性客にターゲットを絞っていたため、「コンビニ」でした。事業戦略としても整ったコンセプトです。
 

その4:ペルソナへの新しい提案になっているか?

2003年に発売されたヘルシア緑茶は、「飲むだけダイエット」の走りでした。
同じころに爆発的にヒットした、ダイエットのプログラム映像の「ビリーズブートキャンプ」のように、「努力してやせろ」とは対照的に、「飲むだけで脂肪の吸収が抑えられる」というのは、新しい提案でした。
 

他と明確な違いができているか?

「努力してやせる」vs「飲むだけでやせる」ですから、違いは明確です。
ちなみに、類似品がたくさん出てきましたが、先に「飲むだけダイエット部門」でブランディングできたので、その後、雨後の筍のようにヘルシア緑茶の類似品が出てきても、長い間、その地位(ポジション)が揺らぐことはありませんでした。
 

その5:喜びや感動が伴うか?

体脂肪を気にしている人にとって、飲むだけで体脂肪を燃焼させてくれるのは、喜びや感動以外の何ものでもありません。
 

その6:信じられるか?

どんなにすばらしいものでも信じてもらえなければ買ってもらえません。
人間関係が信頼関係で成り立っているのと同じように、商品やサービスも会社とお客様の信頼関係を前提に成り立つものです。
したがって、コンセプトも大言壮語で詐欺的な臭いのするものはNGです。
心から信じられること、実行可能なことを表現してください。
ヘルシア緑茶に含まれるカテキンは、ダイエット効果があることが科学的に証明されていますので、信じてもらえるのです。
ちなみに、ヘルシア緑茶は、特定保健用食品にも指定されています。
 

その7:共感できるか?

「良い・悪い」と「共感できるかどうか」は別次元の話です。
共感できるかどうかは、相性の問題だと考えてもよさそうです。
では、誰との相性を意識すればよいかという話になります。
ここでもやはり「誰に」がポイントになります。
自社の望む条件で買ってくれるお客様像をペルソナといいますが、そのペルソナに共感してもらえるようなコンセプトであるかどうかを、再度、確認してください。
ルシア緑茶の累積販売数(2003年5月~2017年4月のデータ)が25億本を超えたことからも、体脂肪が気になる人たちには共感できたと言えるでしょう。
 

その8:イメージアップにつながるか?

ウケ狙いや注目を引くためだけのコンセプトは通用しません。
そもそも、そういうものはコンセプトとは言えません。
また、短期的に集客できたとしても、一過性のコンセプトでは意味はありません。
中長期的に自社の事業のイメージをアップしつづけられると思うコンセプトを作成してください。
優れたコンセプトは、あなたの会社のイメージを高める効果があります。
ヘルシア緑茶を出した花王は、衛生用品・洗剤などのメーカーとしてのカッコたる地位を築いていましたが、それに健康というイメージが加わりました。
 

その9:世の中の変化が読みとれるか?

コンセプトを読んだだけで世の中の変化を読み取れるものにしてください。
これは、変化の最先端に立てということではありません。
ヘルシア緑茶はダイエットブームに乗った商品で、世の中の変化に対応していました。
 

その10:社内の共有化がしやすいか?

どんなにすばらしいアイデアでも、社員がその気になって働いてくれなければ、事業として成立しません。
したがって、コンセプトはお客様だけが共感してくれるものではなく、社員も納得して働いてくれるものでなければなりません。
ヘルシア緑茶については、社内の共有化が図れたという情報は入手できませんでしたが、売れ続けているという事実からコンセプトが共有できていることは間違いありません。
2020/10/15

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