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技術者魂・職人気質を利益に変える

技術者魂・職人気質が「利益」にならないのはなぜか?
中小モノづくり企業には、すばらしい技術とこだわりを持った技術者・職人が数多くいます。ところが、その“こだわり”が、必ずしも「利益」につながっていないという現実があります。
むしろ、採算度外視で手間をかけてしまい、疲弊する企業も少なくありません。
なぜでしょうか?
それは「技術」や「こだわり」を、単なる品質や納期対応力として無料で提供しているからです。
いくら優れていても、“無料”では、利益になりません。
こだわりが報われない中小モノづくり企業の現実
「うちは技術には自信がある」と言いながら、売上が横ばい、利益率が低い企業は少なくありません。これは、技術そのものではなく、“対象とする市場と顧客”が適切でない可能性が大です。
どんなにすばらしい技術・職人技も、顧客を選ばなければ、「安くて便利」だけで終わってしまいます。
藤屋式ニッチトップ戦略とは?
藤屋式ニッチトップ戦略とは、カスタマイズに近い、高付加価値かつ規格化が可能な最小市場単位に事業をシフトすることで、競争を避け、高い粗利益率と営業利益率を実現する“非競争型・高収益戦略”です。この「最小市場単位(=藤屋式ニッチ)」とは、他社が対応できない、または対応したがらない“狭く深い未充足のニーズ”に対して、自社の強みや特性を最適化して、カスタマイズ一歩手前で応えることです。
「こだわり」は武器になる
特定の顧客が望んでいるのに、他社ができないこと、やりたがらないことに価値があります。言い換えれば、他社がやりたがらないこと、自社だからできることに、あえて取り組むのがニッチトップ戦略です。
たとえば、「毎回仕様が違うが、その都度最適に対応できる柔軟性」や、「見た目以上に使いやすさを追求した微細な加工」など、通常は“手間”としてしか見られない工程こそが、ニッチの価値になります。
重要なのは、その“こだわり”を特定のニーズに最適化することで、標準化・商品化する視点です。
単なる“なんでもやります”では、ただの便利屋で終わってしまいます。
そこに「何を・どのように・誰に提供するのか」の設計が加わることで、こだわりが「儲かる強み」に変わるのです。
成功の第一歩は“ズラす”ことから
そこで確立した“勝ちパターン”を軸に、たとえば、- 用途・業界・顧客属性などの軸をズラすことで、複数のニッチ(=マルチプルニッチ)に展開
- 進出先の市場特性に適応し、グローバルニッチへ展開
これは、大きな市場ではなく、自社の“強みが最も活かせるニッチ市場”を狙い撃ちするという考え方です。
大企業が参入してこない小さな市場であっても、粗利益率が高く、価格競争がない市場であれば、会社全体として十分に利益を出すことが可能です。
誇りを持つ技術者魂・職人気質を「利益」に
もし、あなたが「うちの技術者・職人たちは本当にすごい」と思っているならば、その技術力に利益という証明を与えてください。技術者魂・職人気質を、“誇り”と“利益”の両方で報いるためにこそ、藤屋式ニッチトップ戦略があるのです。
こだわりを利益に変える視点と実践法を、より詳しく知りたい方は、ぜひ拙著
『ドラッカーに学ぶ 中小モノづくり企業のためのニッチトップ戦略』
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2025/06/17 |