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コラム:品質とは何かを勘違いしていないか

良いモノは売れる

良いモノは売れる。これに異を唱える人はいないだろう。では、何をもって「良いモノとするのか」、これが問題だ。
通常、2つのパターンが考えられる。一つは売る側が考える品質であり、もう一つは買う側が考える品質だ。
なお、「良いモノは売れるではない。売れたものが良いモノだ」という人もいるが、社会的な影響(例えば環境に害を与えるモノ)などを考えると、必ずしも、売れたモノが良いとは限らない。

売る側が考える品質

売る側が考える品質は、ほとんどの場合、耐久性や精密性など機能的なものである。確かに、機能的な魅力は必要である。
とくに機械や部品などに属するものは、機能的な品質抜きで購入を検討することはありえない。
また、「QCDの3要素が必要だ」とも言われている。Q:品質、C:コスト、D:納期のことである。しかし、本当にこの3つの要素だけで買っているのだろうか。

買う側が考える品質

買うのは人間だ。感情の生き物である。だから、情緒的に満足を与えるモノでなければ買ってもらえない。つまり、「経済的な満足や物理的な満足だけで買っているのではない」ということだ。買う側は、経済的な満足や物理的な満足に、情緒的な満足を加えて評価しているのだ。
自分が買うときにはそうなのだが、仕事になると、ついつい経済的な魅力や物理的な魅力だけに目が行きがちだ。だから、当然、売れてもおかしくないモノが売れない状況が起こる。しかも、売る側は、「品質とは物理的なモノ」という先入観を持っているので、売れない理由が理解できない。

ペルソナの購入理由から考える

すべての人の要望に応えられるわけではない。企業にはヒト・モノ・カネ・時間の制約がある。まして、中小企業ならば、なおさらだ。
そこで、対象顧客を絞り込み、最も自社の商品やサービスの価値を理解してくれそうな人物像(モデル)を設定する。それがペルソナである。
そのペルソナが最も望む品質を満足させることだけに絞り込んで魅力を打ち出せばよい。つまり、品質とは、売り側が決めるものではなく、あくまでも買う側が決めるべきものであることを忘れてはならないのだ。


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2019/08/16

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