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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 021 市場の細分化
棲み分け・食い分けで適所を確保する
生物は、他の生物と棲む所と食べる物を変えれば、捕食されることがなくなり、また、食べ物をめぐっての競争がなくなるため生存が可能になります。そのような生きるための最適な場所を「ニッチ」(適所)と言います。
ドラッカーの著書に、次のような記述があります。
生物学者は、ネズミはネズミとして成功するために必要なことをすべて知っているという。ネズミが人間よりも頭がよいかどうかは愚問である。ネズミはネズミとして成功するうえで必要なことについて、他のあらゆる動物の先を行っている。
=中略=
今後、機能に適した規模が課題となる。その仕事が最もできるのは、ミツバチか、ハチドリか、ネズミか、シカか、ゾウか。いずれの大きさも必要である。それぞれの仕事にふさわしい大きさがあり、生態系(藤屋注:適所)がある。
(テクノロジストの条件)
適所を見つけるための市場の細分化
セグメントとは、「分割されたものの一部」のことです。また、市場とは、「同じニーズのあつまり」のことです。
たとえば、衣類という市場があります。
着るものすべてが対象になります。
それを性別で分けると女性・男性になります。
年齢で分けると子ども・大人に大別できます。
また、フォーマル・カジュアルに分けることもできますし、サイズで分けることも、価格帯で分けることもできます。
このように、ほとんどの市場は、大分類・中分類・小分類することが可能です。
これは消費者向けだけでなく、業務用でも同じです。
価値観が多様化し、ニーズが多様化した現在では、一般論は通用しなくなりました。
特定の誰かのための、特定のニーズに応える必要があります。
そして、その特定した商品やサービスが、運が良ければ大ヒット商品につながると考えてください。
基本的にはカスタマイズに近いくらいまで対象を絞り込んでも大丈夫です。
=続く=
*図表と中小企業の事例は著書に記載します。
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