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ニッチ先生の見聞思 イノベーションの敵
イノベーションを阻害する好業績と成功体験
形あるものは崩れ、既存のものは古くなります。これは、企業経営も例外ではありません。
事業や商品にはライフサイクルがあります。
どのように伸びている事業や商品でも、やがて成熟期を迎え、ついには衰退期に入り、市場から消えていきます。
こうしたことは、700年以上も前に作られた平家物語の冒頭に「盛者必衰の理(ことわり)をあらわす」の表記があるように、極々、当たり前のことなのです。
しかし、直近で利益があがっていたり、過去にすごい成功体験があったりすると、「盛者必衰の理」のことなど忘れてしまい、イノベーションが置き去りにされてしまいます。
イノベーションは後継者問題と同じで、「俺の目の黒いうちは代わらない」ではなく、「俺の目の黒いうちに代わる」ことが重要です。
目が白くなってから後継者のバックアップをすることはできないからです。
企業のイノベーションも、既存事業や商品が売れているときや、内部留保があるときでなければ、本格的に取り組むことはできません。
と言うのも、新規事業、商品開発、市場開拓は、順調に進むことんど、ほとんどないからです。
直近の好業績と成功体験の役割
現在のように、IT化・AI化・グローバル化・コロナ禍で、変化のスピードが速く、かつ、質的な変化が起こっている経営環境下では、成功体験はあまり役に立ちません。役に立つどころか、マイナスに作用するほうが多いくらいです。
ですから、直近の好業績はイノベーションの原資、成功体験はイノベーションに取り組む自信の裏付けとしてとらえましょう。
それが激変する経営環境に適応し、粗利益率をアップするとともに、売上げも伸ばしつづける秘訣です。
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2020/08/25 |