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事業戦略 お客様の本音を知る

お客様の本音を知る
 

お客様の購買行動の理由を、本当にわかっているか?

お客様は、あなたの会社と他社を使い分けしているかもしれません。
また、消去法であなたの会社から買っているため、新しい会社や商品ができると、試しに、すぐにそれを買っているかもしれません。
反対に、ファンや信者のような存在のお客様が、あなたの会社を支えてくれているのかもしれません。

いずれにしても、お客様の購買行動を理解していないと、新しいお客様を獲得することも、流動的なお客様をファン化・信者化することも、より熱心なファンや信者になって頂くこともできません。
 

「あるお店の特徴」と「なじみ客の本音」

お客様の購買行動を理解するとともに、あなたの会社で買ってくれる本当の理由を確認しなければなりません。

ある小料理店は、ご主人の料理が自慢でした。
しかし、なじみのお客様に理由を尋ねると、「女将さんの接客に癒される」という答えでした。
もしかすると、本物のグルメが通う店以外は、味付けや素材は、二の次かもしれません。
常連のお客様にとって、居心地の良さ、すなわち、「雰囲気が一番のごちそう」なのだと思います。

このように、お客様があなたの会社で買ってくれる本当の理由を知ることは、ビジネスモデル(儲かる仕組み)をつくるうえで、もっとも重要なことです。
 

どのような状況になれば買ってくれなくなるか?

あなたの会社で買ってくれる理由を知るだけでは不十分です。
買ってくれる理由があれば、買ってくれなくなり理由もあるはずです。
その理由を知らなければ失客を防ぐことはできません。

失客の原因があなたの会社にあるとはかぎりません。
より良いもの・より便利な方法が、他社から提供されるようになれば、なんの前触れもなくお客様は離れていってしまいます。

そうならないためにも、同業他社の動き、新規参入者の可能性、代替品の可能性などに目を光らせておいてください。

これがわかると失客を防ぐとともに、普通のお客様をファン・信者にすることも可能です。
また、それを望んでいる同じようなお客様(類は友を呼ぶの類友)を新たに獲得することも可能です。

札幌市在住のOさんは、商工会議所や商工会を主なお客様にする講演講師です。
彼は、商工会議所や商工会の担当者が強く願っているのに、どの研修機関や講師業の人たちも提供できていないものに気づきました。

それは日常業務に忙殺されるなかで、講演会を企画し、告知し、準備し、開催しなければならない「講演会事業そのものが負担になっている」という現実でした。

しかし、研修機関や講師業の人たちは、「開催するなら講師として呼んでくれ」というスタンスでした。
そこで、彼は、講演会のテーマを提案し、チラシの草案を提案し、講演会のときには早めに行って会場の設営を手伝いました。

その効果はてきめんでした。商工会議所や商工会を始めた年は、講演を受託したのは10数本だったのですが、3年目には100本を超えました。
講演会を主催した担当者が、お付き合いのない商工会議所や商工会を紹介してくれるようになったからです。
そして、2020年の前半のコロナ禍の影響で、講演会がほぼゼロになったときには、コロナ禍対策事業のコンサルタントとして声をかけてもらったのです。
コロナ禍が収束しつつある最近では、各地の商工会議所や商工会が講習会を再開し、Oさんの予定表は、昨年のように埋まりつつあります。
 

あなたの会社で、どんな状況でも変えたくないものは何か?

欧米車よりも高機能・高品質の日本車が、なぜ、ベンツやBMWよりも低価格で売らなければならないのでしょうか。
それは、欧米車は文化を売り、日本車は機能を売っているからです。
ともに価値を売っているのですが、文化は嗜好の対象ですから競争にはなりません。
好きか嫌いかです。
ところが機能は比較対象が可能です。
しかも、自社にできることは他社にもできます。
そうなると、おのずと原価に「控えめな利益」を上乗せして販売せざるをえません。

つまり、欧米車は自社の「らしら」「こだわり」「独自性」を売っているのに、日本車は特徴と言えるものがありません。
というのも、他社でヒット車が出ると、ひどいときにはミリ単位まで同じの車をつくってしまうからです。

あなたの会社は、どちらを売っていますか。また、これからはどちらを売りたいと思いますか。
これらを決めたうえで、どんな状況でも変えたくないものを2つあげてみてください。

 

それを、お客様は評価しているか、その根拠は何か?

変えたくないもの何かと質問しましたが、何でもいいわけではありません。
たとえニッチな市場であっても、貴社の変えたくない「らしさ」「こだわり」「独自性」を評価してくれる人がいないとビジネスとして成り立ちません。

そのためにも、対象とするお客様を特定し、そのお客様たちが評価してくれる根拠を言葉化することです。
言葉化しないと、それを検証することもできないからです。

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2020/09/24

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