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ニッチ戦略 売り方を変える
販売力がない卸売業者を見切った
コモディティ商品を差別化する方法の4番目は、「売り方を変える」です。特徴のない商品や、衰退期に差し掛かった業界で、常識的な売り方をしていたのでは、売れませんし、利益も取れません。
ある産地の織元の事例です。
家業の経営不振を知らされた子息は、家業を継ぐために勤めていた会社を辞めて帰郷しました。
販売先は、反物の卸売業者一社のみでした。
その卸売業者の担当者に、「この業界は、これからどうなるのでしょうか?」と聞いたところ、「さぁ」という返事が返ってきました。
後継者は、「こんな会社に販売を頼っていたのでは将来はない」と感じ、呉服店への直販に変更しました。
小売店を訪問して次々に取引先を開拓していきました。
その際、「お願い営業」ではなく、イベントの提案・支援や共同開催、新しいデザインの反物の提案していきました。
その結果、数千万円まで落ち込んでいた売上が、5年程度で3億円まで回復し、累積赤字解消のメドをつけることができました。
小規模の成熟市場や衰退産業には、強力な企業や優秀な人材が少ないので、販売を他社に任せにしていたのでは共倒れになってしまいます。
生き残るためには、自ら売らなければなりません。
しかし、魅力が内情だからこそ、強力なライバルや、新規参入者が少ないので、残存者利益というニッチトップの地位を得ることができます。
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2022/09/06 |