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大谷翔平選手のペルソナイズ戦略的評価

◆プロフェッショナルを定義する◆

今シーズン、日本ハム・ファイターズから大リーグのアナハイム・エンゼルスに移籍した大谷翔平選手が衝撃のデビューを果たし、話題の人になっています。
まだ、始まったばかりで、これからどうなるか分かりませんが、このタイミングでペルソナイズ戦略から大谷選手を評価してみました。

ある野球解説者が、大谷選手を「投手としても、打者としても、能力的には高いことは認めるが、記録的な実績がないのに、二刀流と呼ぶのはおこがましい。マスコミとファンが騒いでいるだけだ」という意味のコメントを発表しています。
この意見には、私も賛成でした。
一般的に、投手を評価する主な基準である投球回数や、勝ち数、奪三振数、防御率、勝率などが記録的でない。
また、打者を評価する主な基準である規定打席に達していないし、ホームラン数、ヒット数、打率、盗塁数が記録的でないからです。
つまり、ファイターズ時代も記憶に残る活躍をしてきたものの、記録に残る活躍はしていなかったのです。
しかし、「プロフェッショナルの定義から見るとどうなるのだろう?」と考えてみました。
辞書で「プロフェッショナル」を確認すると、「専門家。本職。職業的」となっており、「記録をつくる人」ではありません。
ある野球解説者のコメントは、「業界の常識」を基準にした評価だったと思われます。

これをペルソナイズ戦略的な視点で評価すると、まったく違う結果になりました。 ペルソナイズ戦略は、(1)生態的ニッチ、(2)カテゴライズ、(3)ファン化・身内化、(4)ブランディング、の4つの要素から成り立っています。
それらの要素から再評価してみましょう。
もちろん、遊び以外の何ものでもありません:笑

◆生態的ニッチ的な評価◆

大リーグで記録を残そうと思えば、相当の年月がかかります。
しかも、140年あまりの歴史で築いてきた主要な記録分野は、けた違いに高いレベルのです。
そのなかで、「投手×打者」の記録はたいしたものはありません。記録分野としては超ニッチです。
そもそも、「投手×打者の二刀流をめざす」という発想がありませんでした。
とくに、技術的に進化している現代においては皆無でした。
大谷選手は、その記録分野で、100年前の伝説の人ベーブ・ルースを抜いてしまいました。

◆カテゴライズ的な評価◆

「投手×打者での記録」という新しい記録分野(カテゴリー)を創り上げました。
これは、前述しましたが、100年前の伝説の人ベーブ・ルースを引っ張り出す超ニッチのカテゴリーです。
「投手×打者」はケガのリスクが高いと言われています。
また、かなり身体能力が高い人でも、二刀流をめざすのは大変なことです。
そもそも、既成概念にとらわれている指導者たちが、簡単に二刀流を許すとは思えません。
したがって、仮に1シーズンで15勝×20本塁打、通算だったら50勝×100本塁打を達成すると、おそらく永遠に破られない記録になるのではないでしょうか?

◆ファン化・身内化的な評価◆

投手として完全試合(すべてアウト)が途切れた7回には、球場全体から暖かい拍手が送られていました。
これは、大谷選手が観客を、ファン化を超えて身内化に成功した証です。
ファンだったら完全試合を逃したら残念な気持ちが優先し溜息が先に出ますが、身内は味方ですから「ここまでよくやったね」と労わってくれました。

◆ブランディング的な評価◆

開幕からわずか1週間で、あらゆるメディアが彼の活躍を伝えました。
その結果、彼の活躍が、全米に知れ渡ったのです。
そして、「日本の大谷翔平から、アメリカの大谷翔平になった」とある記者に言わしめました。
日本から渡った23歳の青年が、「二刀流」というジャンルをつくりあげ、ファンの心を鷲づかみにして、1週間でスターになったのですから、ブランディングに成功したと言えます。

2019/09/20

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