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不況対策 の実務

不況対策の具体策

不況が来るタイミングは分かりません。
未来は、予測した通りにならないからです。
しかし、不況が起こることは「すでに起こった未来」です。
発生時期は明日かもしれないし、1年後かもしれません。
それでも、東京オリンピック後ではないでしょう。
したがって、できれば半年、長くても1年以内の不況対策のアクションプランを作成し、実行に移してください。
アクションプランの内容は、下記の9つです。

不況対策1 その拡大志向から体質強化志向に転換する

不況は、事業の前提としている経営環境が現在とは変わることです。
「何が、どのように変わるのか」を徹底的に考えてください。
そうすれば、経営体質の強化を緊急に図る必要性が分かってきます。

拡大志向を否定するわけではありません。
事業規模を拡大するにしても、経営体質を強化してから事業拡大に取り組むと、一人勝ちできる可能性もあります。
いずれにしても、経営体質の強化が最優先課題です。
その強化策が次の8の項目です。

不況対策その2 競争がない独占市場に特化する

まさに、不況対策とは「独占市場をつくる」を実践することにほかなりません。
不況期になると需要が落ちると同時に価格競争に突入し、売上減と利益率低下のダブルパンチをくらいます。
そのときに、競合がなければ、利益率の低下からは免れることができます。

不況対策その3 不況の影響が少ない顧客を開拓する

大きな不況がきても、すべての業種・業界・企業が、一律に業績が低下するわけではありません。
とくに、個別企業は経営力の差が出ますので、取引先を厳選する必要があります。
そうしないと、取引先の倒産のリスクまで負うことになります。

不況対策4 その利益率が高い商品にシフトする

独占市場をつくるということは、利益率が高い商品・サービスを持つことにほかなりません。
また、独占市場といえども、不況期には需要が減少する可能性が大です。
したがって、利益率が高い商品・サービスを取り扱えば、利益額の減少を最小限に抑えることができます。
また、利益率が高ければ、状況によって値下げすることも可能です。

不況対策その5 捨てる勇気をもつ

以上のことは、もしかすると、現在の市場、現在の商品、現在の流通経路、現在の設備、現在の人材を手放すことになるかもしれません。
しかし、現在の経営環境に適合している上記のものが、不況期に適合するかどうかは別問題です。
企業経営で大切なことは、市場に適合するとともに、これまでなかった市場を創り出して、ペルソナニーズに応え、ペルソナニーズを創り出すことです。
もっとも、不況期には、ペルソナの再設定が必要になることは言うまでもありません。

不況対策その6 手持ち資金を増やす

>景気は、いったん下降傾向に入ると、回復まで最低でも半年、大きな不況になると数年はかかります。
その対応のためにも、手持ち資金を増やしてください。
売掛金の回収期間を短くします。既存客がムリなら、新規の取引先から早めることです。
また、不要不急の遊休資産は現金化してください。
不況が来てからは、売却相場が下落します。
さらに、金融機関から借り入れが可能であれば、できるだけ多く借りることです。
その際、金利はコストと考えずに、リスクヘッジのための「保険料」と考えてください。

不況対策その7 ムダなぜい肉を削ぎ落す

コストは、金銭だけでなく、ヒト・モノ・カネ・時間の経営活動すべてに関わる要素です。
あると便利なモノやコトは処分し、ないといけないモノやコトだけを残すようにしましょう。
ある意味、不況対策は、しがらみを断つ絶好のチャンスでもあるのです。

不況対策その8 売上げ先を分散する

不況期には、一社依存ほどリスクが高いものはありません。 少なくとも、損益分岐点を超えるパーセント(損益分岐点が80ならば、20%以上の売上高シェア)の顧客がいれば、とてもヤバイ状態です。
この是正に最優先で取り組んでください。
その方法として、他の取引先の取扱高を増やす。
あるいは、新規顧客を増やす、があります。
これは、健全経営のために、不況期に限らず、ぜったいにやらなければならない必須項目です。

不況対策その9 元請け仕事を増やす

下請け制度は、元請け企業にとって、もっとも「お手軽」かつ「最適」な生産調整の手段です。
したがって、不況になると、もっとも影響を受けるのが下請け企業です。
中小零細企業が、不況の影響を受けるのは、下請け的なビジネスモデルが多いからです。
したがって、下請け仕事が多いのであれば、元請け仕事(直接販売:直販)を増やす努力が急務です。
と言うよりも、直販がビジネスの基本と考えてください。
下請け仕事は、「売る努力から逃げている」と考えてください。
「強みに特化する」というのと、「下請けに甘んじる」というのは別次元の話です。

不況対策 ピンチをチャンスにするために

交通標語に、「まだ大丈夫は、もう危ない!」というのがあります。
今の時期、不況対策も、この交通標語が当てはまります。
「まだ大丈夫!」と思いたいのは、あなたの希望にすぎません。
不況は、目の前に迫っています。
しかし、不況はピンチだけとはかぎりません。
たとえば、不況で人材の需給バランスも変わりますので、資金に余裕がある企業にとって、優秀な人材を採用する絶好のチャンスでもあります。
また、不動産市場や株式市場が下落すれば、資金力がある人にとっては、絶好の買い(仕入のタイミング)です。
さて、あなたは、この不況とどのように向き合い、チャンスに変えますか?

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  • 対象者:不況対策に取り組み中小企業様
2019/09/20

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