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すべての商品は半製品

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顧客は満足を買う

「マネジメントの父」とよばれているピーター・ドラッカーは、「商品やサービスそのものを買っているのではない。それらがつくり出す満足を買っている」と言っています。
 

私たちが提供できるのは顧客満足の手段にすぎない

満足は情緒的なものです。
ですから、満足したかどうかは顧客が決めます。
私たちが提供できるのは、顧客満足の手段にすぎないのです。
したがって、私たちが提供しているのは、どんなに仕組みや機能などが整っているとしても、半製品にすぎません。

半製品を、「満足」という形の完成品に仕上げるのは顧客自身です。
と言うのも、商品やサービスは、顧客の使用体験や利用体験を経て、完成品に仕上がるか、半製品で終わるかが決まるからです。
 

対象顧客と一緒に商品を開発する

顧客が半製品を完成品に仕上げてくれるのであれば、設計の段階から対象顧客を巻き込んで開発すれば効率は良くなりますし、ハズレは少なくなります。
つまり、カスタマイズへの対応がベストというわけです。

たとえば、注文住宅は、購入者の要望を取り入れながらつくるので、完成品をつくっていると言えるでしょう。
だから、顧客の満足度は、建売住宅よりも満足度が高いのです。
もっとも、最初から求めるものが違うかもしれませんが。。。
あるいは、製造業でも、大口の顧客とは設計段階から打ち合わせながらつくるので、完成品をつくっていると言えるでしょう。

つまり、「売れそうなものをつくる」のではなく、「売れるものをつくる」あるいは「売ってからつくる」という発想です。
これが、マーケティング思考です。
もちろん、このような商品を汎用品・既製品にして売ることもあります。

それでも、自分たちだけで、「これが売れそうだ!」「これは売れるはずだ!」とプロダクトアウト(インサイドアウト)的な思考で商品開発するよりも、売れる確率は高くなります。
なお、消費者対象の商品であれば、ネットを使ってファン的な顧客と商品企画をしたり、試作品をつくってファン的な顧客と意見交換の場を設けたりするのもいいでしょう。
 

柔軟な大量生産システム

ドラッカーの生産システムの中に、「柔軟な大量生産システム」があります。
これは、遊具の「レゴブロック」のように、複数の部品から、無限の最終商品をつくり出すというものです。
レゴブロックの基本となるブロックは十数種類で、オプションを含めると3,700種類ほどあるそうです。

通常のビジネスであれば、数十種類か、多くても数百種類の部品や知識があれば、ほとんどの顧客ニーズに対応できるでしょう。
また、ニッチトップ戦略のように、対象ニーズと対象顧客を絞り込めば、数十種類の部品や知識でも、十分かもしれません。

カスタマイズは、たいへん面倒くさい販売方法ですが、面倒くさければ面倒くさいほど、顧客の満足度はあがります。
ただし、その面倒くさい方法に絞り込んで標準化して価格に反映させれば、それはそれで効率的な仕組みができ上ります。

ここでは、「価格に反映させる」が重要なポイントになります。
面倒くさい方法は競争を回避できますので、粗利益率も高くなりまし、それを求める潜在顧客の顕在化によって売上も伸びます。

さて、あなたは、どのような形で売れる完成品をつくりますか?
 

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2024/07/16

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