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中小企業経営 両利きの経営
新しいことを探し求める「知の探索」
既存のものは古くなります。
したがって、常に新しいこと(革新)に取り組まなければなりません。
その代表的な方法が、「創造的模倣」と「用途開発」と「新結合」です。
創造的模倣とは、他の成功や失敗をひと工夫して新しいものにする方法です。
たとえば、ゲームセンターにある『ワニワニパニック』は、ヒット商品の『もぐらたたき』をひと工夫してマネしたものです。
用途開発とは、既存の商品の新しい使い方を見つけることです。
たとえば、5枚刃の業務用のノリきざみ用ハサミを、事務用品の「ハサミ型シュレッダー」として売り出したところ、10年で5万本だった売上げが、100万本まで伸びました。
新結合とは、「既存の何かと、別の既存の何かを、新しい組み合わせること」です。
たとえば、懐中時計とベルトを組み合わせて腕時計をつくるとイノベーションになりました。
なお、新結合は、内容的、地理的、時間的に遠いところのものを組み合わせることで、革新性が高くなります。
それから、商品名を変更することで売上げを伸ばせれば、それもイノベーションです
成功を追求する「知の深化」
新しいものに取り組むよりも、既存の成功したものを深化させた方が、効率も良いし、目先の利益につながるということで、多くの企業が、「知の深化」を求めるようになります。
これが「成功の追求」です。
知の探索は、手間・コスト・時間がかかるうえに、利益に結びつくかどうかが不確実でリスクを伴なうので避けられがちになります。
このような理由から、技術大国と言われた日本が、最先端の技術分野で、今では周回遅れの部分が増えてきているのも、知の探究ではなく、知の深化に偏っているからです。
成功体験に縛られる、持っている人(国)の弱みと言ってもいいでしょう。
探索と深化のバランスをとる両利きの経営
短期の利益の追求ならば、「知の深化」のほうが効率的です。
しかし、短期的な利益と長期的な利益を同時に追求するのであれば、「知の探索」と「知の深化」のバランスが必要になってきます。
中小企業経営では、同じヒト・モノ・カネ・時間を使って、「知の探索」と「知の深化」を同時に進めなければなりません。
それが大企業に比べて不利な点でもあります。
一方、中小企業のほうが市場や顧客に近いという有利な点も持っています。
中小企業は、経営環境面では、全社員が肌感覚で市場や顧客を感じることができます。
それは、表面積と体積の差が小さいからです。したがって、中小企業のほうが「知の探索」と「知の深化」のバランスをとりやすいのです。
経営環境が激変する現在は、何もしないことが最大のリスクです。
ですから、「ゆでガエル」になる前に、勇気を出して、「知の探索」(新規事業、新商品開発、新市場開拓、業務の革新)にも取り組みましょう。
たとえ苦しくても、常に「狭き門」より入るべきです。
「滅びにいたる門」は広いのですから。
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2019/09/20 |