事業戦略 セミナー

 

四面楚歌

四面楚歌とは、「周囲がすべて敵や反対者で、まったく助けや味方がいない状況」のことです。
ちなみに、四面楚歌という四文字熟語の由来は、下記のとおりです。

中国最初の統一国家、秦が滅び、後継者争いがおきます。
そして、最後まで残った劉邦（のちの漢の高祖）と項羽（楚王）の戦いで、項羽軍は追い詰められて、最後の砦を築きます。
この砦を劉邦軍が取り囲みます。
そして、夜になると、劉邦軍の兵士に、項羽の故郷である楚（そ）の歌を歌わせます。
これを聞いた敵将の項羽は、「楚の人間は、みな敵になってしまった」と勘違いします。
そして、項羽は28人の部下と砦を出て、死を覚悟した最後の戦いに臨みます。 その時に、即興で作った歌が、これです。

力は山を抜き、気は世を覆う
時利あらずして騅ゆかず
騅のゆかざるを如何すべき
虞や虞や汝を如何せん

この歌の意味は、下記の通りです。

私には山を貫き、世を覆う気迫があった。
しかし、時運を失い、愛馬の騅（すい）も歩もうとしない。
前に進まぬ騅をどうしたらよいものか。
最後まで付き添ってくれた愛妾の虞（ぐ）よ、お前をどうしたらよいのだろうか。

最終的には、愛馬の騅は、助けてくれようとした人に引き取ってもらい、愛妾の虞は、最後の戦いに臨む項羽の足手まといにならないように自害します。
ちなみに、虞が自害した亡骸（なきがら）のそばに、ヒナゲシ（ポピー）の花が咲いていたことから、ヒナゲシは虞美人草（ぐびじんそう）と言われるようになりました。
なお、ヒナゲシの花言葉には、「心の平穏」「休息」のほかに、「別れの悲しみ」「薄れゆく希望」というのがあります。
 

五面楚歌

競争環境にいる会社は、『四面楚歌』ならぬ『五面楚歌』の状況です。
競争戦略で有名なポーターに【５フォース】という理論があります。
５フォースとは、会社には、つねに５種類（既存の同業他社、新規参入者、代替品、仕入先、お客様）の圧力を受けているという意味です。
まるで、項羽軍の最後のようですね。
会社のほうが、項羽軍よりも敵が一面多いので、さらに大変です。（笑

【５フォース】という理論を打ち立てたポーターは、「逆に言うと、この５つの圧力を取り除けば、会社は非競争の環境をつくれる」と教えてくれました。
この、５つの圧力を取り除く方法が、生態的ニッチ戦略です。
 

生態的ニッチとは

多くの動物や鳥は、「巣」をつくります。「巣」は睡眠したり、子どもを育てたりするための安心・安全で占有できる場所や空間です。
この「巣」のことを、人間社会では「家」と呼んでいます。
生活面で家（巣）を持つのが普通であれば、「事業面でも、普通に安心・安全で占有できる市場を持ちましょう」というのが【生態的ニッチ戦略】の考え方です。
生態的ニッチを確保することをポジショニングと言います。
 

市場は複数のニッチ市場で構成されている

たとえば、クルマ市場は、乗用車市場、トラックなどの貨物車市場、バス市場、特殊車両市場から成り立っています。
また、乗用車市場は、大型車市場、普通車市場、小型車市場、軽自動車市場から成り立っています。
これらの市場は、さらに価格・使用目的・購入目的などで細分化できます。

このように、市場は分類していけばドンドン細分化できます。
そして、細かく区分された一つひとつの市場は、ニッチ市場になります。
そのニッチ市場の中から、競争がなさそうな満たされていないニーズに対応するのが生態的ニッチ戦略です。
ニーズがあるのに競争相手がいない状況を創り出せば、理想的な粗利益率が確保できます。
 

生態的ニッチを確保する

生態的ニッチ＝ポジショニングは、他社との違い、特徴を打ち出すことです。
つまり、ポジショニングは、競争を避けるためのものであり、オンリーワン事業をつくるための経営手法であり、マーケティング手法です。
あなたも、五面楚歌の状況から脱出するために、ポジショニングに取り組んでください。

なお、スピーディ、かつ、質が高いポジショニングを確保したい「強みを持つ中小企業の社長様・後継者様」は、ぜひ、下記のセミナーにお申し込みください。
１日のセミナーで、おおよその【ポジショニング】と、ポジショニングを言葉化する【コンセプト】ができあがります。
 

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