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ニッチ戦略 成長が止まらない製造業の事例

ニッチ戦略 製造業の事例

 

選択と集中、集中した分野での多角化で成長する製造業の事例

藤屋式ニッチ戦略塾の塾生 寺田昭夫さん(ヤバケイグループ代表、アイスクリーム類・冷凍菓子製造、冷凍スイーツを中心とする食品宅配ギフトの企画・開発および卸売業、兵庫県伊丹市)にオンラインでインタビューしました。
たいへんシャイな方で、「うまく話せなかった」と、後日、追加資料を送ってくださいました。
その一部を集約・編集してご紹介します。
 

ヤバケイグループの歴史

我社は、九州・大分のヤバケイハムの美味しさを関西の方に知ってもらおうと立ち上げたのがスタートです。
丁度その頃、ヤマト運輸のクール宅急便が始まった頃で、冷凍・冷蔵商品をギフトで送るができるようになった年でもあります。
そこで、宅急便でヤバケイハムをお届けするギフトをスタートさせたわけです。

また、得意先のニーズから、塩干商品、フルーツを取り扱うようになりました。
当時の塩干やフルーツのギフトは、市場(いちば)から出荷していることが多かったそうです。
そのため、鮭なら鮭1本、リンゴならリンゴだけ、ミカンならミカンだけ、メロンならメロンだけ贈る、といったギフトが普通でした。

当時は、毎日、市場に現金持って仕入れにいって、出荷作業するといった状況でした。
毎日、仕入れに行っている中で、「鮭1本届いても、嬉しくないよな」とか、「リンゴ1ケース貰ったてもな」と、ギフトを頂いたお客様をイメージするにようになりました。そして、
我が社は、毎日市場に仕入れに行って、それを持ち帰って出荷しているんだから、少量ずつ、産地の違うもの、違う商品のアソートができる。これをすれば、貰ったらお客様が喜んでくれる。
と考えました。
他社がやっていない、競争がない、独占できる市場、こんなめんどくさいこと、同業者はやらないだろう、を発見したのです。

そこから、洋菓子・アイスを取り扱うようになって、得意先もギフト卸からスーパー、コンビニ、生協、百貨店外商中心へ変化して行きました。
今ではネット関連も増え160社との取引があります。

これらに対応するために、仕入れ担当から商品開発担当や製造部門ができ、企画もブランドタイアップした商品企画へ変化していくことになります。

ブランドタイアップも 色々なところとコラボしてきた中で、3つのブランド(京都、銀座、あまおう)に絞り込まれてきました。
そこに集中して行くことで、さらに良い商品、生産性アップで、お客様に喜んでいただけるように進めております。

今後はさらに、常に新しい隙間、強みを活かした勝てる市場を探し続け、変化し続ける企業にしていきます。
 

来季から始まる3ヵ年経営計画

グループ各社の強みを活かした連携で事業を再構築し、3年後売上高47億円、経常利益率11%を目指します。 そのためのキーワードは、
  1. 強いブランドの構築
  2. 新たな成長エンジンの育成
  3. コロナ下で高まる高付加価値商品へのニーズの強化
です。

強いブランドの構築について

現状の3つのブランドの価値を創造し、伝える、さらに良い商品、生産性アップで、ご納得頂ける価値へ変化させ、更なるブランド力の強化を進めていきます。

新たな成長エンジンの育成について

今期、北海道ブランドをスタートさせるとともに、内祝い市場へ参入します。

高付価値商品へのニーズの強化について

北海道ブランド分野の構築は、北海道の本当の旬、北海道でしか食べられいなかった美味しさを味わって頂けるようにします。
そのため産直のノウハウを修得するため、すでにスタートしている京野菜分野の品質を高めます。

社員さんをより大切にするために

利益を生み出している強みは、物流、得意先情報、製造力、開発力、品質管理です。
そして何より、これらを生み出してくれる人たち(社員・パートさん)が、働いてくださることで事業が成り立っています。
そのため、働く環境も重視し、さらに働きやすい環境に変えて行きます。
特に社員満足度の高い理想の職場づくりについては最重点課題とします。

グループ各社の取り組み課題

変化にビクともしない財務体質を構築します。
今回のポイントは現状の固定費で、利益の最大化を目指すことです。
しかし、必要な投資、戦略に合わせて投資は実施するという前提があります。

ヤバケイは新たな出荷体制を確立する

現状のヤバケイが保有するセンターからは、それなりに出荷して計画的に外部出荷できる仕組みを作り、売上拡大とともに、今まで固定費と考えていたものを変動費として生産性を上げていきます。
ポイントは、どの商品を、どのタイミングで、どれくらい製造・出荷するのが利益の最大化になるか、各部門が連携して考えてみることです。

また、商品や事業によっては縮小することもありますが、グループ全体の視点から、最小限のリスクに抑え、かつ、次の戦略を立てやすい体質に持っていきます。

デザートプランは、一生産ラインの稼働率を上げる

生産品目に合わせて製造ラインを変え、一生産ラインの稼働率を上げていきます。
デザートプランで生産できるヤバケイのオリジナル商品も、できるだけグループ内で製造して工場の稼働率を上げることで、グループの利益の最大化を図ります。

グループ本社は業務の効率化を図る

グループ本社についても、グループの成長でパート従業員・社員が増加しているので、今年度から給与・社会保険関連も外注に変更しました。
また、品質管理部門の統合で危害分析し、事故による損失を防ぐことで、お客様に喜んで頂ける商品の提供とともに、財務体質の強化に貢献できるようにしていきます。
 

お客様様に喜んで頂くために

当たり前を徹底する

当たり前とは、たとえば、カタログ販売であれば、お客様からお申し込みを頂いて、
  • カタログ通りの商品を
  • カタログ通りの包装形態で
  • 決められた日時に
  • 決められる贈り先に
  • 決められた温度帯で
  • 破損なくお届けされて
  • 贈り先のお客様に喜んで頂けること
  • また、贈り主様も、贈り先様から届いた「ありがとう」で共に喜んで頂けること
が、普通に出来ていることを指します。

これを普通通りに実施していくには、
各会社間・部門間・部門内・得意先間・仕入先間で、どういう連携したら上手に回せるようになるかの「活動分析」「貢献分析」「意思決定分析」も必要になります。

想定外をなくす

よく、想定外と言う言葉で片付けてることがあります。
たとえば、
  • 想定外の注文があり、出荷が1日遅れた
  • 想定外の衝撃があってパッケージが壊れた
  • 急に気温が上がってフルーツが腐った
  • 想定外に発注が来て夜中まで出荷作業が続いた など
しかし、想定外と言いつつ、それぞれに因果関係があります。
まず、想定外をなくす活動に取り組みます。たとえば、
  • 他社の想定外を集めて、それを精査することで想定外を減らす活動を開始します
  • クレームについても再発防止策に取り組みます
  • そのために、普段の得意先以外にも社内のマーケティング活動の中で、部門間連携、部署内連携で具体的に解決できる体制をつくります
  • 新たに品質管理をグループ内に設けますが、今までの5S活動以外に危害予知の視点で見ていく活動に変えていきます
などです。

部署内・部門間トラブルを解消し表にでていない社員のイライラ感をなくす

昨年も業務分析をして頂いてますが、再度、部署内・部門間にかかわることなど、業務の棚卸しをして、イライラ感のない職場環境を目指していきます。

一つの商品でもいろいろな部署、人がかかわっています。
たとえば、一つひとつの仕事量が少しでも、前工程で滞っていたものが後工程に一度に流れてくると、スムーズに回らなくなることもあります。
そういうことが増えてくるとイライラ感が増したり、トラブルが発生したりします。
また マネジャークラスがコントロール出来ていないケースもあります。
そういうことを、一つひとつ、潰し込んでいきます。
このような藤屋式ニッチ戦略を、

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2021/03/25

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