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適者生存から適所生存へ
生態的ニッチを事業戦略に取り入れたことから、生態的ニッチの基になっている『種の起源』(チャールズ・ダーウィン著)を読んでみました。
意思を持たない動植物が、どうして環境に適応できるのか、それが不思議でした。
今回の読書で、その答えを得ることができました。
■ 突然変異
生物は、一定の割合で、親とは違うモノに必ず変異します。
変異には、大きなものや小さなものがあります。
また、変異のなかには、環境に適合するために優位に作用するものと、劣後に作用するものがあります。
優位に作用した場合、他の同種類よりも繁殖力が強くなります。
■ 淘汰
変異が優位に作用したものが繁殖し、他のものは淘汰されていきます。
あるいは、優位に繁殖するものとは違う場所で生存する道を選びます。
そうしなかったものは淘汰されていきます。
たとえば、人気者のパンダは氷河期を生き抜いた種です。
捕食者から逃れるために平地から高地へ移動しました。
高地には捕食される動物がいませんが、捕食する動物もいません。
そのため、肉食から竹食へ変更しました。
竹は氷河期でも枯れなかったからです。
ただし、竹は栄養分が少ないため、パンダは、動きを最小限にしてエネルギーの消費を抑える生活態度に変えていきました。
これが変化への適応です。
つまり、強いからではなく、適応したから生き抜いたのです。
■ 遺伝
変異には一代で終わるものと、遺伝するものがあります。優位に変異した変異が遺伝した場合、その種が繁殖して、周りの同種を淘汰に追い込みます。
これが、100世代、1,000世代、10,000世代、・・・と繰り返されていくなかで、環境にもっとも適者したものだけが生き残っていきます。これが【適者生存】です。
■ 人間だけが意識的に変異できる
動植物は、環境に適応したものだけが生き残っていきます。
その適応する場所・空間が生態的ニッチ(適所)というわけです。
適所は、生存可能な条件であることを前提に、「棲み分け」と「食い分け」で確保することができます。
これを経営に置き換えると、「棲み分け」は、市場のセグメンテーションと市場でのポジショニング、ペルソナの設定で実現できます。
もう1つの「食い分け」は、提供価値、商品の最適化、提供方法の最適化で実現できます。
しかも、人間だけは、道具を使って、自らの【適所】を創造することができます。
つまり、商品やサービス、提供方法、情報発信によって、自社に適性な市場(適所:棲み分け・食い分けできるところ)をつくり出せるのです。
これが、【ドラッカーの生態的ニッチ戦略】から進化させた【藤屋式ニッチ戦略】の根幹にある考え方です。
=続く=
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2019/11/25 |