ブログ
ドラッカーの生態的ニッチ戦略
ドラッカーの企業化戦略
ドラッカーは『イノベーションと企業家精神』で企業家戦略として、4つの戦略群を紹介しています。それが、総力戦略、ゲリラ戦略、生態的ニッチ戦略、事業や商品の性格を変える戦略です。
そのなかで生態的ニッチ戦略は、「限定的な分野で独占をねらう戦略」で中小企業に最適な企業家戦略として紹介しています。その特徴は、
目立たないが限定的な市場の占有で高収益をあげることができる。しかし、継続的に顧客満足を高める努力をしないと、新規参入者にとられるか、代替品に市場を奪われる。です。
トールゲート戦略
生態的ニッチ戦略には、トールゲート戦略、専門技術戦略、専門市場戦略があります。専門技術戦略、専門市場戦略はどのような戦略か想像がつきますが、トールゲート戦略は説明が必要ですよね。
トールゲート戦略はドラッカーの造語で、
何かをするときに必ず必要になるもの。しかし、全体から見たコストは微々たるものである。また、その役割の重要さの割にコストは小さい。さらに市場も小さく、用途も限定的なので、他社が努力して参入する価値がない。となっています。
ドラッカーは事例として、白内障の手術のときに目の筋肉を溶かす酵素を紹介しています。
その酵素があれば、手術のリスクがなくなるので必ず使ってもらえます。
しかし、他社が新規参加して価格を下げたからといって白内障の手術が増える(市場が拡大する)わけではありません。
したがって、努力の割には儲からないので、あえて参入しません。
また、商品や提供方法の改良・改善を続けて、顧客満足を維持できれば独占が崩れることもありません。
以上は、生態的ニッチ戦略の説明ですが、専門技術戦略、専門市場戦略にも当てはまります。
生態的ニッチ戦略は、限定的な市場を独占するための中小企業に最適な事業戦略です。
たとえ、独占できなくても、断トツの差別化を図ることができる事業戦略です。
貴社も、ぜひ、生態的ニッチ戦略の観点から、既存事業や商品を見直してみてください。
弊社には、生態的ニッチ戦略を学べる【藤屋式ニッチ戦略塾】があり、限定的なニッチ市場づくりを指導しています。
関心があれば、ぜひ、お申込みください。
お申込みと概要は、ここをクリックしてください。
2022/12/13 |