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中小企業経営にはニッチ戦略が必要だ

◆事業戦略とは大企業・強い企業と棲み分けること◆

事業戦略とは、大企業や強い企業との違いを打ち出すことです。
儲からないのは事業戦略が間違っているからです。
あるいは、対象顧客の設定ミスや、商品の特徴や流通経路がまちがっているからです。
事業戦略についてのドラッカーの記述を引用してみましょう。

われわれは優れた権威たちから、小企業は巨人に飲み込まれつつあり、消滅寸前だと聞かされていた。だが、これはナンセンスだった。小企業と大企業は択一的な存在ではなく、補完的な存在だった。
小企業は、マネジメントに関心を持つ必要はないとされていたが、これもまちがいだった。小企業は、大企業以上に組織的かつ体系的なマネジメントを必要とする。
= 中 略 =
小企業は戦略を必要とする。小企業は限界的な存在にされてはならない。その危険は常にある。したがって、際立った存在になるための戦略を持たなければならない。ニッチを見つけなければならない。
『エッセンシャル版 マネジメント』(ドラッカー著、ダイヤモンド社)

◆ニッチ戦略の考え方◆

ドラッカーの企業規模の分類(小企業・中企業・大企業)での小企業とは、日本の基準では中小企業をさします。
中小企業と大企業は、補完関係であっても従属関係ではありません。
したがって、棲み分けが必要になります。
大企業が苦手な、大企業にとってうまみがない分野を引き受けるのが中小企業の事業領域です。
したがって、どのような分野で、どのような事業展開をするのかのマネジメント(経営)が必要になります。
大企業の従属的存在にならないためにも、中小企業には戦略が不可欠です。
大企業と取引する場合でも、下請け、出入り業者ではなく、パートナー関係を築くことが不可欠です。

そのためにも、自社の強みを活かせるニッチな市場を見つけて、取引先に対して、「なくてはならない存在」になることです。
つまり、他社では代替できない分野に絞り込み、非競争の独占市場をつくる。
あるいは、少なくとも弱競争の超差別化市場をつくることです。
このように書くと、たいへんむずかしそうに感じるかもしれません。
でも、実務的にはそれほどむずかしいことではありません。

着眼次第です。
そう、子どもの頃に読んだ童話の『ガリバー旅行記』の発想をもって、小人の国(ニッチ市場)ではリーダーとして、巨人の国ではニッチャーとして振舞えばよいのです。

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2019/09/20

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