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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 018 非競争にするキーワード その1
生態的ニッチを確保する
事業の構成要素の「誰に:市場・顧客」「何を:提供する価値」「どのように:商品と提供方法」を、競争相手がいなくなるまで絞り込みます。小売業・サービス業で独自化する
参入障壁(マネ防止策)として、隔離、無関心、ジレンマの3つを前述しました。ここでは、小売業やサービス業など、隔離政策をとれない商品やサービスのための「戦わない方法」を紹介します。
それが、「絞る」「ずらす」「変える」です。
そして、これらの対象は、「市場」「提供する価値」「商品」「提供方法」です。
たとえば、対象市場を絞り込むと、提供する価値、商品、提供方法が変わります。
また、提供する価値を他社からずらすと、市場、商品、提供方法が変わります。
あるいは、提供する価値を変えると、商品、提供方法が変わります。
このように、生態的ニッチを確保するうえで、「絞る」「ずらす」「変える」と「市場」「提供する価値」「商品」「提供方法」の視点は、きわめて重要な意味を持ってきます。
市場・顧客、提供する価値、商品と提供方法を絞り込む
選択と集中は戦略の基本中の基本ですが、集中ではあいまいさが残っています。そこで、「照準を当てる」「焦点を合わせる」くらいに、対象市場や顧客を絞り込むことをお薦めします。
たとえば、カット専門のQBハウスが急成長したのは、忙しいビジネスマンに焦点を絞り込み、「カットだけ、10分で1,000円」を打ち出したからです。
普通の理髪店は、人口減少や美容室に顧客を奪われるなかで、なんとか売上げを確保しようと客単価アップを目指して努力をしています。
しかし、理髪店がそうすればそうするほど、単価は上がり、滞在時間が長くなります。 それを嫌う人も一定数います。筆者もその1人ですが。。。
そこに満たされていない未対応の市場を見出して、対応したのがQBハウスというわけです。
同社は生態的ニッチ市場で事業展開しているのですが、2019年6月期の売上高は209億円、営業利益率9.4%の優良企業です。
理髪店業界ではダントツの会社です。
「ニッチ=すき間」とは、ほど遠いイメージですね。
=続く=
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