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ニッチ戦略の概要
ニッチ戦略とは
ニーズはあるが対応する商品がない市場を見つけ、他社がやりたがらない提供方法で商品を提供して対象市場を独占する。
また、顧客をファン化・信者化するとともにブランドを確立し、高収益事業にする仕組みのこと。
ニッチ戦略の対象者
弊社では、ニッチ戦略の対象者(理想的な顧客像)を、次のように想定しています。
- 強みを活かして数年前までは順調に売上げを伸ばしてきた。
- しかし、この2年~3年、売上げが横ばいになっている。
- 営業利益率は5%で、もう少し高めたいと思っているが微減傾向である。
- 今のやり方では、売上げも利益率も伸長は難しいと感じているが、解決策を見出でない。
- そこで、戦略本を読んだり、セミナーに出たりしているが、大企業向けか、零細企業向けはあるが、「中小企業に最適な戦略」がない。
- さまざまな戦略本を読んで、自社なりにアレンジすればよいのだろうが、それも難しい。
ニッチ戦略の骨子
ニッチ戦略は、ドラッカーの生態的ニッチ戦略を核に、カテゴライズ戦略、ファンベース(ファンダムとも言います)戦略、ブランド戦略を取り入れ、一つの戦略に統合したものです。
上記の4つの戦略は、もともと、中小企業にとっても有効な戦略だったのですが、いわば「部品」(部分最適)にすぎませんでした。
それを、ひとつにした完成品(全体最適)することで、生態的ニッチとカテゴライズで独占できる新しいジャンルの市場を創り、ファンベースで売上拡大と利益率アップを図り、ブランディングでその地位を確立していこうとするものです。
さらに、これらのプロセスを螺旋(らせん)階段的に向上させることで、次のステージに到達させることができます。
このようなことから、「中小企業の戦略に関しては、ペルソナイズ戦略だけやりなさい」と自信をもって言えるようになりました。
実は、戦略理論として確立したのは、つい最近ですが、方法論としては数年前から、コンサルティングやニッチ戦略塾での指導で使っていました。
そのため、弊社が主催しているニッチ戦略塾では、塾生さんの業績アップ率が向上していました。
つまり、理論として確立していなかった段階でも、ニッチ戦略は有効だったのです。
ただし、戦略理論として確立していなかったため、場面ごとに話の内容に、多少のブレがあっただろうと思います。
これからは、理論に基づいた指導に変わりますので、顧客や塾生さんの業績アップに、さらに貢献できます。
ニッチ戦略は零細企業向けの戦略ではない
「生態的ニッチ戦略」や「ファンベース戦略」の言葉のニュアンスから、「零細企業向けの戦略だろう?」と感じる方がいるかもしれません。
しかし、それは違います。
私が考えるニッチ戦略の典型的な事例は、イタリアの自動車メーカー「フェラーリ」です。
売上高3,700億円超を誇りながら、
- 超高級スポーツカーに特化:生態的ニッチ戦略
- フェラーリ市場という独自市場を確立:カテゴライズ戦略
- ファン化・信者化に成功:ファンベース戦略
- ブランドも確立:ブランド戦略
しかも、一台当たりの営業利益率は1,200万円で、大衆車の約50倍、ベンツの約20倍、ポルシェの約6倍という高収益を実現しています。
売上高3,700億円超は、決して零細企業ではありませんよね?
しかし、販売台数では年間9,000台にも満たない超ニッチ企業なのです。
私は、フェラーリみたいな状況を、日本の中小企業にも確立して頂きたいのです。
ただし、何らかの「強み」を持っていることが条件です。
だからと言って、絶対的な強みは必要ありません。あくまでもカテゴライズするための強みで十分です。
簡単に「当社には強みなどない」とは思わないでください。売上げが数億円もあれば、何らかの強みを持っています。
強みがなければ顧客は買ってくれないのですから。
強みがないと思っている大部分の会社は、自社の強みに気付いていないだけなのです。
2019/09/20 |