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ニッチ戦略とブルーオーシャン戦略の違い
◆ニッチ戦略もブルーオーシャン戦略も競わない戦略である◆
ニッチ戦略とブルーオーシャン戦略の共通点は、ともに競争しない戦略だということです。
それが、これら2つの戦略と差別化戦略との違いです。
◆ブルーオーシャン戦略とは◆
ブルーオーシャン戦略は、(1)取り除く、(2)増やす、(3)減らす、(4)付け加える方法で、他社とは違うニーズに応える(独自化する)戦略です。
ただし、新しい市場を開拓するという点では、非競争の戦略なのですが、他社の追随を阻止するという点にまで言及していません。
したがって、圧倒的な経営資源を有する大企業には有効かもしれませんが、中小企業で適応できる企業は限られてくると思われます。
つまり、中小企業がブルーオーシャン戦略を採用して、「高付加価値を持つ新市場の開発」するのには有効でも、それを維持して、継続的に儲かる仕組みにするまでには至らない戦略だと言えるでしょう。
と言うのも、(1)取り除く、(2)増やす、(3)減らす、(4)付け加える方法には、マネ防止策が織り込まれていません。
また、市場規模の大きさを限定していないので、大企業や強力な中小企業が参入する可能性があり、独自化の維持が不可能になってきます。
◆ニッチ戦略とは◆
一般的に言われているように、ニッチ戦略は「すき間戦略」と同意語として普及しています。
しかし、私が理論ベースにしているドラッカーは、「生態学的ニッチ」と表現しています。その真意は「競合との棲み分け」です。
したがって、「すき間戦略」とは一線を画しています。
また、生態学的ニッチ戦略では、生物学と区別がつきにくいので、「藤屋式ニッチ戦略」と新しいジャンルを創って、ニッチ戦略とは区分しています。
◆藤屋式ニッチ戦略とは◆
藤屋式ニッチ戦略は、構築するときも、構築してからも競わないことを前提にしています。
したがって、現在の市場を細分化(分類・分解)して、手付かず・手薄な市場に絞り込み、その市場で独自化を図る戦略だと言えます。
なぜ、現在の市場を対象にするのかと言えば、熟知した市場であり、現在の強みが発揮できる市場だからです。
また、現在の市場を細分化する時点で、市場規模が限定されます。
つまり、そもそも、ニッチ戦略は、スタートから中小企業でなければ、採用する気になれない市場規模を対象にした戦略で、大企業対策になっています。
さらに、業界の常識では儲かりそうにない、面倒くさそうな状況をつくり、中小企業も排除できる戦略でもあります。
◆藤屋式ニッチ戦略=極小市場が対象ではない◆
前回の「ニッチ戦略と差別化戦略」の事例に取り上げたように、フェラーリは、藤屋式ニッチ戦略を説明する最高の事例だと思っています。
なぜならば、売上高3,770億円、従業員数2,858人の大企業ですが、自動車産業では、超ニッチの零細企業で、他社が追随してこない仕組みを創っているからです。
つまり、藤屋式ニッチ戦略の対象市場は、絶対的に小さな市場ではなく、相対的に小さな市場なのです。
2019/09/20 |