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値上げ戦略 事業目的を明らかにする

事業目的を明らかにする
 

値上げのためのビジネスモデルを設計する

利益の最大化が企業経営の目的ではありません。
利益は顧客満足・社員満足・社会満足の結果です。
したがって、利益を経営の尺度になります。

また、値上げが利益をあげる(=顧客満足・社員満足・社会満足)すべてとも言いません。
値上げは、数ある取り組み方の一手段・一切り口です。
しかし、値上げを起点・基点にすると、
  • 対象にしたい市場の決定
  • 選択した市場での特徴
  • 対象にしたい顧客の特定
など、事業における決定事項を体系的に決めざるをえなくなります。

と言うのも、競争環境では「値上げ」は難しいので、非競争の市場をつくり出さなければなりません。
また、承認欲求の解決を第一の価値と考える顧客を特定しなければならないからです。
そして、その特定した顧客満足を実現するための商品と提供方法に再設計しなければならないからです。

事業目的を明らかにしなければならない理由

事業目的は事業のコンセプトと言い換えることができます。
事業目的は、「誰に・どのような価値を提供するのか」を明らかにすることです。
したがって、目的が決まれば、目標を設定することも、目標を達成するための手段・方法を決めることも、やるべきことをスケジュール化することもできるようになります。
それほど重要な事業目的ですが、経営理念を設定している企業は多いのに、事業目的を明らかにしている企業は、それほど多くありません。

そこで重要になるのが、ドラッカーの次の言葉です。
自らの事業は何かを知ることほど、簡単でわかりきったことはないと思うかもしれない。
鉄鋼会社は鉄をつくり、鉄道会社は貨物と乗客を運び、保険会社は火災の危険を引き受け、銀行は金を貸す。
しかし、実際には、「われわれの事業は何か」との問いは、ほとんどの場合、答えることが難しい問題である。
わかりきった答えが正しいことはほとんどない。
「われわれの事業は何か」を問うことこそ、トップマネジメントの責任である。
『エッセンシャル版 マネジメント』より
事業目的を明らかにするために、ドラッカーの事業目的の事例を紹介しましょう。

顧客の事務管理部門に対し、近代的オフィスに必要な機器や消耗品を供給する

この事業目的について、ドラッカーは次のように説明しています。
顧客の事務管理部門のニーズや製品、供給源や性能についての知識をもち、顧客が自力で入手するよりも価値あるものを、変わって購入するという真の商人の機能が、自らの事業であることを明らかにしている。
さらに、この定義は、市場におけるリーダーシップを握ること、すなわち、今日優れた満足を供給し、明日のオフィスのニーズを予見し、顧客の事務管理部門にとっての価値を供給することを表明している。
『創造する経営者』より
この事業目的の定義が優れている点は、次の要素を加味しているからです。
この定義は、具体的な方法については触れていません。
実は、触れてはいけないからです。
具体的な方法は、状況によって変わるからです。
また、具体的な商品についても触れていません。
実は、触れてはいけないからです。
具体的な商品は、商品開発などで変わるからです。

いかがでしょうか。
値上げを起点・基点にすると、このような経営の根幹に遡(さかのぼ)らなければならなくなります。
これが、ドラッカーを学んできたニッチ先生が【値上げ戦略】をお勧めする理由です。

『値上げ戦略』に関心がある方はこちらもどうぞ!
2021/01/25

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