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品質信仰は捨てろ!
高品質=最も売れる ではない!
製造業の方々が最も重要している品質は、販売にどれだけ影響を与えているのでしょうか?事例で検証してみましょう。
『日本カー・オブ・ザ・イヤー』というのがあります。
その審査項目は、大きく分けて以下の4つです。
- 基本性能:加速性能、燃費性能、操縦安定性、乗り心地、静粛性、ブレーキ性能
- 先進性:安全性、環境性能、快適性、利便性、デザイン
- 価値:価格、質感、リセールバリュー
- 革新性:新技術の搭載、市場への貢献度、自動車文化への影響
これらの項目を見ると、高品質のランキングとも言えそうです。
上記の基準による、2023-2024年度の日本カー・オブ・ザ・イヤーのトップ10は、
- トヨタ プリウス
- トヨタ アルファード/ヴェルファイア
- 日産 セレナ
- スバル クロストレック
- ホンダ ZR-V
- 三菱 デリカミニ
- アバルト 500e
- BMW X1
- マセラティ グレカーレ
- フォルクスワーゲン ID.4
一方、ほぼ同時期の車種別販売台数のトップ10は、
- ホンダ N-BOX(軽自動車)
- トヨタ ヴォクシー(普通車)
- トヨタ ノア(普通車)
- スズキ スペーシア(軽自動車)
- トヨタ アルファード(普通車)
- トヨタ カローラ(普通車)
- ダイハツ タント(軽自動車)
- トヨタ シエンタ(普通車)
- スズキ ハスラー(軽自動車)
- トヨタ ヴェルファイア(普通車)
でした。
品質2位のアルファードだけが、売上の5位にランクインしているだけです。
これらの比較から消費者は品質を基準に購入するのではなく、好みなど、別の基準で購入していることが分かります。
事例は車ですが、他の商品にも同じことが言えそうです。
これら「対 消費者ビジネス」に限ったことではありません。
「対 法人ビジネス」にも同じことが言えます。
機能や品質的に優れているだけで買ってもらえるわけではありません。
特に、日本ではそうです。
物理的な品質にバラツキはないか、納期は守ってもらえるか、柔軟な対応をしてもらえるかが選択基準に入ってきます。
これらは購入側の安心・安全という「情緒」の問題でもあります。
つまり、「機能や品質という商品の物理的な品質だけ」でなく、納期、柔軟な対応、会社としての姿勢などすべてを含む、「会社としての品質」が顧客の選択基準になっているのです。
高付加価値=高品質でもない
上記のような状況にもかかわらず、特に製造業の方々は、高付加価値商品にするために、より高品質を追求します。もちろん、より高い品質を求めることが悪いわけではありません。
これらは、いわば工場内の話しであって、そこでは、徹底的にコスパを制約条件として、高品質にこだわり続けてください。
しかし、それだけでは、「会社としての品質」への取組みは50%の領域でしかないのです。
たとえば、車を例にすると、物理的にはベンツ車がトヨタ車より高品質とはかぎりません。
生成AIの【Gemini】に聞くと、『一般社団法人 日本自動車販売協会連合会(JADA)の「2023年 新車品質調査」によると、トヨタ車のほうが、メルセデス・ベンツ車より品質評価は高かった』そうです。
しかし、付加価値という点では、トヨタ車はベンツ車の半分以下しかありません。
なぜならば、価値を示す価格では、圧倒的な差があるからです。
事業は、大雑把に行って、「商品力×営業力」です。商品力の強化には、マーケティング力、イノベーション力、改善力などが必要になります。
一方の営業力には、マーケティング力、コミュニケーション力(イメージ伝達を含む)、人間力(誠実さなど)などが必要になります。
つまり、商品の高品質だけではなく、営業力を含めた「会社としての高品質」も必要になってくるのです。
このような理由から、「商品の物理的な品質信仰」から脱却して、顧客を欲しい気持ちにさせる情緒を動かす「イメージ伝達力」にも、磨きをかけていくことをお薦めします。
特に製造業は、「イメージ伝達力」のアップに力を入れてください。
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2024/06/04