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変化はチャンス!
すでに起こった未来
すでに現象は起こっているのですが、その影響は、まだ、現れていないものがあります。しかし、それらの現象のなかで、将来の経営環境に大きな影響を及ぼすものがいくつもあります。それがドラッカーにいう「すでに起こった未来」です。事例その1
TPP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement:環太平洋戦略的経済連携協定)もそのひとつでしょう。これは、太平洋を囲む国々が、貿易の自由化を進めようとするものです。参加国のすべての産業にメリットやデメリットが発生するため調整が難航していますが、もし、批准(ひじゅん)されれば、すべての産業に構造改革が起こり、影響を受けない企業はありません。
なかには、批准されればすぐに影響を受ける産業もありますが、徐々に影響を受ける産業がほとんどです。つまり、発生と影響に時間差(タイムラグ)があるのです。
したがって、準備期間があるので、メリットだとしても、デメリットだとしても、対応は十分可能です。たとえば、業界を挙げてTPPに反対している農業などはその最たるもので、生産性を飛躍的に高めるチャンスになるでしょう。
事例その2
イギリスのEU離脱問題があります。今のところ、ショックで為替や株式市況が動いていますが、今後、実体経済にさまざまな影響が出てくることでしょう。これも、すでに起こった未来です。EU問題は、円高やグローバル戦略に必ず影響が出ますので、今からそれに備えることでチャンスに転換することができます。
変化の先頭に立つ
ところが、変化をチャンスにする可能性があるにもかかわらず、具体的に準備している企業は、きわめて少ないのが実情です。中小企業は変化を避けることができません。ならば、抜き差しならない前に、進んで変化を受け入れることです。
「先んずれば人を制す」という諺(ことわざ)がありますが、「すでに起こった未来」に気づけば、今から準備を始めることができるので、間違いなくニッチなビジネス・チャンスを掴むことができます。
2019/09/09