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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 027 棲み分け・食い分け
最良の戦略は「戦わずして勝つ」こと
競争するリスク
ナポレオンと連合国の間で繰り広げられた『ワーテルローの戦い』で勝利した連合国の指揮官であったウェリントン将軍の言葉に、敗者に次に悲惨なのは勝者であるというのがあります。
戦えば、必ず勝者も傷つくという現実です。
生き物に学ぶ棲み分けと食い分け
棲み分け
数年前に旅行で十和田湖に行ったときのことです。湖の岸辺に近いところに小さな島があり、数種類の植物が生えていました。
その島の近くに岸辺に立て看板がありました。
そこには、「弱くて強い植物」のタイトルの下に、
小さな島の上にマツが生えているのがわかりますか。このような岩場や尾根筋などの乾燥した環境条件の悪いところで、他の植物との線損競争には『弱い』けれど、悪い環境に耐えることのできる『強い』アカマツやキタゴヨウなどが生えています。
という説明がありました。
これが生態的ニッチでいう「棲み分け」の本質をあらわしています。
食い分け
生物学を応用する経営理論の1つに「捕食範囲」というのがあります。ゼネラリスト(総合)企業とスペシャリスト(専門)企業の、どちらが環境に適合するかを分析したものです。
たとえば、動物のなかには、いろいろな種類のエサを食べるもの(ゼネラリスト)と、特別な食べ物しか食べないもの(スペシャリス)がいます。
前者にはライオン、ヒョウ、チーター、ハイエナなどがいます。
後者には、ユーカリの葉しか食べないコアラ、アリしか食べないアリクイなどがいます。
ゼネラリストは種内競争だけでなく、種間競争もあり、百獣の王と言われているライオンさえも、エサの確保には四苦八苦しています。
しかし、コアラ、アリクイがエサの確保に苦労しているという話はあまり聞きません。
他の動物が食べないものを食べているからです。
なお、これらの動物は種間競争はあまりないうえに、種内競争も少ないようです。
この「食い分け」と「棲み分け」を併用したのが生態的ニッチ戦略というわけです。
生態的ニッチ戦略は、対象市場を絞り込んで、「特定の顧客層には、とても魅力的」ですが、「他社にとっては、美味しそうに見えない」状況を創り出す事業戦略です。
=続く=
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2020/03/04