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ドラッカーの生態的ニッチ戦略010 環境変化への対応事例
既存商品の用途を開発する
計算尺とそろばんを分けたもの
電卓が開発されたときに、それまでの計算機器として使われていた計算尺(けいさんじゃく:対数の原理を利用したアナログ式の計算用具)と算盤(そろばん)は、時代遅れの機器になりました。そのため、計算尺は市場から消えてしまいました。ところが、算盤は、現在も残っています。考具(こうぐ:考えるための道具)として、学校教育で使い続けられたことも1つの要因です。
しかし、それだけではなく、算盤製造会社の企業努力もありました。算盤を、子どものための「脳トレの道具」や、高齢者のための「認知症予防の道具」として売り出したのです。
麻雀の用途開発
60歳代以上の方が若い頃、夢中になった麻雀(マージャン)も、現在では衰退市場になっています。しかし、麻雀を高齢者の認知症予防として業績を伸ばしている会社や団体もあります。
用途開発で陳腐化を防ぐ
ドラッカーは、「食料を腐らせないための冷蔵庫を、アラスカなどで食料を凍らせないための保温庫として販売すれば、新商品を開発したのと同じ効果がある」(現代の経営)と述べています。新しい用途を開発すれば、変化に対応できるということです。=続く=
*図表と中小企業の事例は著書に記載します。
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