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値上げを可能にするポジショニング
ポジショニングの重要性
「不易流行」という四文字熟語があります。これは、「すべてのものには、変わらないものと変わるものがある」という意味です。
経営にも「不易流行」があります。
企業経営にとって『不易』とは、企業や業界によって変わらない【普遍的なもの】。
また、時期や時代によって変わらない【不変的なもの】。この2つの不易が基本と原則です。
ドラッカーが「経営方針とも言えるもの」として、「市場のセグメンテーション」と「市場でのポジショニング」をあげています。
また、「マーケティングの父」と言われているフィリップ・コトラーも、マーケティングの代表的な手法として「STP」(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)の重要性を訴えました。
つまり、ドラッカーは事業戦略の立場から、コトラーはマーケティングの立場から、ポジショニングの重要性を説いているのです。
したがって、ポジショニングは、企業経営において「不易」の要素だととらえて間違いありません。
ちなみに、競争戦略の大家(たいか)であるマイケル・ポーターは、学問的には「ポジショニング派」と言われています。
ポーターは、「儲けられる市場を選んで、儲かる位置取りをすると儲かる」と、ポジショニングを単純明快に表現しています。
逆にいえば、適性なポジショニングをしないと、努力は報われないということです。
もちろん、ポジショニングを確保し維持するためには、良い企業能力(ケイパビリティ、とくにコア・コンピタンス=中核的な強み)が必要であることは言うまでもありません。
経営の第一線に立っている経営者の皆さんは、直接、売上げや利益に影響を与える流行に敏感になり、ついつい不易(経営の基本と原則)がおろそかになりがちです。
しかし、ドラッカーが確信しているように、基本と原則を逸脱すると、中長期的には業績が低迷します。
値上げはポジショニングがすべて
私(ニッチ先生)は現在、【値上げ】の視点から中小企業の事業戦略を構築する理論と方法を考えています。もうすぐでき上りますので、近々、ご紹介します。
さて、その構築のプロセスで「値上げにもっとも重要になるキーワードは何か」を熟考して行きついたのが「ポジショニング」でした。
ポジショニングできていない商品やサービスを値上げすることはできません。
逆に、独自化(オンリーワン)、あるいは、差別化(ニッチトップ)のポジショニングを確保できれば、値上げは可能になります。
また、特徴(他社の商品やサービスとの違い)が明確になりますので、売上げも増えます。
あなたも、値上げを(オンリーワンあるいはニッチトップ)を可能にするポジショニングを、強く意識してください。
なお、中小企業がポジショニングを確保するためには、まずは市場におけるマーケットポジショニング(リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー)のなかで、自社をニッチャーとポジショニングすることが必要になります。
場合によっては、ケイパビリティ(企業能力、とくに自社の強み)から、ポジショニングを決めることもありえます。
『値上げの手順』に関心がある方はこちらもどうぞ!
2021/02/18