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藤屋式ニッチ戦略の成否を分けるこだわり
◆どのニッチ分野にこだわるか?◆
こだわりの徹底度合いが、事業の特徴を決めます。
独自化(差別化)を図るものは徹底だからです。
そこで、何にこだわるかを決める必要があります。
それが、意思決定の判断基準にもなります。
あるメーカーA社(架空の存在)は、
- 高機能の素材
- 高機能の技術
- 高機能の商品
そうすると、山ほどある商品のうち、上記の3つのこだわりにすべて該当するのは、ごく一部の分野であることが分かりました。
ただし、そのごく一部の分野で、もう一つ、数十億円の規模の会社ができるのではないかという冗談が飛び出すほど有望であることが分かりました。
そして、その有望なごく一部を除いた商品群は、改良対象の商品群と位置づけました。
◆どこまでニッチにこだわるか?◆
こだわりの程度も決めなくてはなりません。
これは、商品から判断します。
A社は、
- 大企業が入ってこない市場規模であること
- 独自化が図れること
- マネされないこと
- 商品の意味を変えること
◆それぞれを定義する◆
マネされないこととは、どういうことでしょうか?
未来永劫、マネされないものなどありません。
既存のもので良いモノは、必ずマネされます。
たとえ特許を取得しても、20年の特許期間が切れれば、「待っていました!」と言わんばかりにマネする企業が続出します。
そこで、「マネされないとはどういうことか」を定義しておく必要があります。
この定義によって、マネされない有効期間が決まり、次の準備にかかるタイミングも明らかになるからです。
ちなみに、A社は、単品商品で5年、パッケージ商品に改良して5年、運用サービスを主体に変えて5年の合計15年間、追随されないことを、「マネされない期間」と定義したのです。
◆藤屋式ニッチ戦略は商品の意味を変える◆
商品の意味を変えるとは、たとえ、業界の常識では、機械部品として製造販売されているのですが、A社の新しい商品Bは、生産工程の短縮のための手段として販売することにしました。かつての商品価格は、原価プラス法で決めていましたが、新商品Bは、作業工程の短縮時間を計り、それで得られるコスト削減額(=利益)の一定割合を頂くことにしました。
このように、藤屋式ニッチ戦略では、商品の意味を変えることで、事業のコンセプトを根底から変えることができます。
2019/09/20