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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 005 中小企業の経営の基本と原則 その5
競争について
辞書的な意味での競争は、「互いに優劣や勝敗を競うこと」です。ビジネスにおける競争がやっかいなのは、互いだけではなく、顧客が他社の商品と比べて優劣を決めることです。
競争について、ドラッカーの著書に次のような記述があります。
新しい製品、生産プロセス、サービスはすべて、それが初めて損益分岐点に達したその日から、陳腐化がはじまる。したがって、自らの製品、生産プロセス、サービスを陳腐化させることこそ、競争相手による陳腐化を防ぐ唯一の方法である。(未来企業)これを事例で説明します。乗用車は、どのように売れている車種でも、一定期間ごとにマイナーチェンジ・フルモデルチェンジを行います。
それは、他社のヒット車種が出て売れなくなる前に、自社の次のヒット車種で、計画的に陳腐化(古臭く)してしまう作戦です。
つまり、後継車種を競合車にするのです。
また、トヨタ自動車は価格帯別に品揃えしていますが、ある車種は、下の価格帯の車種と上の価格帯の車種が、オーバーラップするようにクラスが設定されています。
これは、社内で競争環境をつくり出すためです。
これによって緊張感が保たれ、モチベーションが下がらないように仕組まれています。
なお、競争戦略論の大家マイケル・ポーターによれば、競争の要因は、同業他社、業種からの参入、代替品、仕入先、販売先の5つがあります。
仕入先、販売先を競争ととらえているのは利益の分配で相反するからです。
これら5つの競争要因を、競争要因にしないようにするのがドラッカーの生態的ニッチ戦略です。
=続く=
*図表と中小企業の事例は著書に記載します。
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