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002 会社の役割
ドラッカーの名言
確かに企業は、その経済的な責任を果たすうえで、社会の政治的、倫理的理念に沿って活動し、社会の発展に寄与する。
しかしこのことは、企業の経済活動を制約したり、促進したり、あるいは遅らせたりする二義的な条件であるにすぎない。
企業の本質、すなわち企業の特性を規定する決定的な原理は、あくまでも経済的な成果である。 ドラッカー名著集『現代の経営(上)より』
解説
会社は、すべての意思決定と活動において、利益を第一の目標とします。これが他の組織(NPOなど)との決定的な違いであり、会社の特性を表すものです。したがって、社長は、利益をあげることによって、その存在と権威が正当化されるのです。 たしかに、会社の活動には、社員の幸福、地域社会、文化活動など非利益的な貢献を求められています。それでも会社は、利益をあげられなければ、会社としての経営は失敗です。
なお、顧客が進んで支払う価格で商品やサービスを提供できなければ利益は出ません。
ですから、自社に託されたヒト・モノ・カネを使って、利益を増やしていく、あるいは少なくとも維持できなければ、成功している経営とは言えないのです。
中小企業での活用法
社員を幸福にすることを会社の目的に掲げて経営している優良企業もあります。しかし、それは特殊であって会社としての基本からは逸脱している経営だと認識してください。たとえば、断食してガンを克服した人も本当にいます。あるいは、喫煙していても100歳まで生きる人もいます。しかし、それがすべての人に当てはまるかと言えばそうではありません。
あるいは、スポーツでも基本から逸脱したフォームで活躍している選手もいます。それは、その人の体型やパワー、能力にだけあったフォームだと考えることです。 それと同じように、特別な会社が成功しているからと言って、自社が同じやり方で成功するかどうかは別問題です。確率からみれば、うまくいかないほうが圧倒的に多いでしょう。
経営は実践ですから、画一的に考える必要はありませんが、まずは、経営の原理・原則を踏まえた基本からスタートすることです。
そうした意味では、会社の第一の目標には「利益をあげること」を掲げましょう。
ちなみに、事業計画や経営計画を立てる場合に、売上げや利益からつくっていくのではないでしょうか。それとも貴方の会社では、社員の幸福からスタートしているのでしょうか。
2019/08/02