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中小企業の事業戦略 粗利益率を重視する経営
売れなくなる時こそ粗利益率を重視する
稼ぐ力として重視すべき指標が、商品や提供方法の強さを示す粗利益率です。この粗利益率に売上高をかけ合わせたものが「粗利益」で、これが固定費を上回れば利益が出ます。
つまり、粗利益率が高ければ、不況の波がきても固定費をまかなえ、利益を出せるというわけです。
もちろん、粗利益率が高くても売上げが下がり、固定費をまかなえなくなれば赤字になります。
そうならないためには、自社の強みを活かした(競争優位性がある)商品と提供方法の価値を、お客様に認めてもらわなければなりません。
逆に言えば、価値を認めてくれるお客様と取引することです。
そして、1つの領域で固定費をまかなえなくなれば、複数の生態的ニッチ市場(非競争の市場のこと)でビジネスを展開します。これがマルチプル・ニッチ戦略で、この戦略を遂行する会社を、【マルチプル・ニッチャー】と言います。
しかし、中小企業は、シングル・ニッチャー(1つの生態的ニッチ市場に特化した会社)でも、十分に利益を出すことができます。
ちなみに、マネジメントの父と呼ばれているドラッカーは、『創造する経営者』で、売上高のことを【総売上高】、粗利益のことを【純売上高】と表現しています。
どんなに売上げがあっても、固定費も賄えない粗利益率では、正しい売上げとは言えないという意味が含まれています。
非競争の領域に特化するのが中小企業の事業戦略
対象とするお客様が必ず必要とする商品・提供方法で、かつ、競争相手がいない(価格競争にならない)領域で勝負するのが『生態的ニッチ戦略』です。なお、必ず必要とする商品や提供方法には、物理的に必要とするもののほかに、心理的・情緒的に必要とする商品や提供方法もあります。
変革期は「選択と集中」よりも「選択と分散」が必要という意見もありますが、これは大企業の話です。
ヒト・モノ・カネ・時間にかぎりがある中小企業では、よほどのことがないかぎり「選択と集中」でなければ競争優位性を打ち出すことはできません。
「選択と集中」という表現に抵抗があれば、「フォーカス」(ターゲティング客に焦点を合わせる)という表現を使ってください。
ニーズはあるが、競争相手がいない領域に焦点を合わせ、そこにヒト・モノ・カネ・時間を集中的に投入することで、粗利益率が高い市場を占有するのです。
非競争の市場を創り出す
大企業であれば、対象市場が大きくなりますので、差別化戦略が前提になります。しかし、中小企業は対象市場を思い切り絞り込めますので、独自化戦略が可能になります。
独自化は、目標とする粗利益率の必須条件です。
なお、独自化は、「他社が物理的にできないこと」だけではなく、「やりたがらないこと」をすることでも実現できます。
占有できる「生態的ニッチ市場」(満たされていないニーズ)を見つけて仕組み化し、粗利益率をアップするのが【藤屋式ニッチ戦略】です。
粗利益率をアップするメリットは他にもあります。
特定のお客様層を満足させなければ粗利益率をアップすることはできませんが、特定のお客様層を満足させると、その満足を必要としている他のお客様にも買って頂けるようになります。
つまり、対象とするお客様を絞り込む生態的ニッチ戦略(フォーカス戦略)は、高い粗利益率で売上げを伸ばしたい中小企業に最適な事業戦略なのです。
貴社に最適な事業戦略が学べる経営塾が【藤屋式ニッチ戦略塾】です。
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2020/08/27