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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 003 中小企業の経営の基本と原則 その3
売上げ優先か、利益優先か
売上げがなければ利益もありません。したがって、まずは、売上げをつくることを優先すべきだという考え方があります。
たとえ利益が出なくても、売上げをつくり、それから利益を確保するというものです。
一方、利益がない売上げはあるが、売上げがない利益はない。
だから、最初から利益を確保できる売上げをつくるべきだ、という考え方もあります。
藤屋は、こちらの意見に賛成です。
ドラッカーの『未来企業』に次のような事例があります。
韓国の自動車メーカーである現代自動車のエクセルが、1987年から88年にかけてのアメリカ市場で、自動車史上、例がないほど販売台数を伸ばしました。
しかし、その2年後には、アメリカ市場からほとんど姿を消しました。
その理由は、車そのものには何の問題もなかったのですが、売上げを優先したために販売価格を安くしすぎたからです。
車販売から利益が出ないため、販売促進、サービス、ディーラー網の整備、車の改善などに投資することができませんでした。
現代自動車は、100年以上も前のヘンリー・フォードの言葉、「T型フォードが素晴らしい利益を上げたから、T型フォードをこのように安い価格で売ることができる」という「安売りの原則」を守らなかったのです。
ちなみに、T型フォードは、たった1車種で、当時のアメリカの自動車市場で60%のシェアを持っていました。
このような理由から、あなたの会社でも、「ローコスト経営ができているから、安売りができる」という鉄則(利益優先)を守ってください。
ビジネスの基本は、利益優先です。
=その4に続く=
*図表と中小企業の事例は著書に記載します。
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