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ドラッカーの生態的ニッチ戦略 017 魅力的な生態的ニッチ
手付かず・手薄なニーズをさがす
高収益の生態的ニッチ事業は、現在の市場を細分化することで見つけることができます。現在の市場を細分化すると、特定のニーズが出てきます。
細分化していくと、まったく対応できていないもの(手付かずのニーズ)や、十分に対応できていないもの(手薄なニーズ)が明らかになってきます。
たとえば、中高齢女性用の尿漏れ用の紙おむつは、介護用のものしかありませんでした。
分厚く、ゴワゴワしたうえに、歩くと音がするようなものを身につけるぐらいなら、「外出しないほうがまし」と考える女性がたくさんいました。
しかし、メーカーは、こうした不満に未対応だったのです。
これに気づいたメーカーは、普通の下着とほぼ同感覚で着用できるものを開発しました。
「ニーズがあるのに商品がない」という絶好のチャンスをものにしたメーカーは、業績を伸ばしました。
ボリュームゾーンのなかにもニッチはある
「ニッチ=すき間」ではない確たる証拠があります。ニッチ=満たされていないニーズ(手付かずのニーズ、手薄なニーズ)でみると、パソコン業界に面白い事例があります。
既製品が常識の市場に、デルコンピュータは、「オーダーメイドのパソコンを通信販売で売る方法」で新規参入しました。
店舗販売では、先行するメーカーに主要な流通チャネルを押さえられていたので、通信販売に特化せざるを得なかったのです。
オーダーメイドにしたことで受注生産になり、在庫負担が軽減できました。
そのうえ通信販売は代金先払いシステムなので、資金繰りの面できわめて有利です。
同社は後発だったため、新しい仕組みをつくらざるを得ませんでした。
しかし、マイナス要因をプラスに変えたことで、パソコン市場では初めての「オーダーメイドのパソコン販売」というイノベーションを起こすことができたのです。
もう1つの事例がパナソニックのパソコン『レッツノート』です。
同社は、パソコン市場の黎明期(ルビ:れいめいき)に市場に参入したことがありました。
しかし、競争に負け撤退を余儀なくされました。
レッツノートでの参入は、二度目のチャレンジだったのです。
家電ではトップブランドの同社でも、パソコンでのブランド力はゼロでした。
そこで用途に特化することにしました。
ノートパソコンは、持ち運ぶことを前提としていますが、精密機械のため、誤って落とすとすぐに壊れてしまいます。
ビジネスマンにとってのパソコンは、重要な商売道具です。
修理費も痛いのですが、修理に出している期間、仕事ができないことがさらに痛手でした。
そこに目を付けた同社は、「出張専門のノートパソコン」というコンセプトで、机から落としても壊れない丈夫なノートパソコンを開発して、市場に再参入したのです。
今でも、カフェなどでは、アップル社のMacと同じくらい、レッツノートを見かけます。
ちなみに、藤屋も出張族なのでレッツノートを愛用しています。
=続く=
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