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不況対策 3つの間違い
忍び寄る不況
製造業においては、年初から営業利益が減少しており、夏前から売上げも減少し始めました。そして秋になり、景気の先行指標になる工作機械の受注が激減しています。
また、非製造業でも売上げの減少が統計データにも表れるようになりました。
こうした動きに早急に対応しなければなりません。
不況でもっとも影響を受けるのは、中間価格帯の商品です。
必需品はどのような状況になっても買わなくてはなりません。
反対に、本当のお金持ち層は、それほど不況に影響されることはありません。
景気に左右されるのは、好不況で収入が左右される方々です。
したがって、そのような客層を対象にしている企業や、中間価格で販売している商品やサービスが、もっとも不況の影響を受けます。
まず、対象とする客層と価格帯の見直しをお薦めします。
そのうえで、不況対策で犯しがちの、3つの間違いについてお話します。
縮み志向の間違い
不況という嵐を通り過ぎるまで、身を縮めて待つというのが従来の平均的な姿勢でした。しかし、今回、忍び寄っている不況は構造的なものです。米中経済戦争はそのなかの1要素にすぎません。
これが解決できたとしても、日本の景気が本格的に上向くとはかぎりません。
根本的な要因は、日本の経済的地位の低下です。1人あたりGDPの低下、低い生産性、日本の特許出願数の伸び悩み、海外の大学や大学院への留学数の減少など、どれをとっても中長期的な経営環境は明るいものではありません。
しかも、国家は税収の2倍の予算が常態化しています。
つまり、国家予算の半分は借金で賄っているのです。
したがって、1,000兆円の国家の借金は増える一方ですから、金利を上げることはできません。
このような状況から言えることは、嵐は通り過ぎないということです。
強弱の風雨を繰り返しながら、徐々に経営を圧迫していきます。
このような状況は、北海油田の開発と、サッチャーの財政改革で立て直す前まで、長期低迷を続けていたイギリスと同じです。
俗にいう『イギリス病』ですが、現在では『日本病』といったほうが伝わりやすいと思います。
だぶついた脂肪をそぎ落とし、筋肉質の企業体質にするのは正解ですが、利益を伴う新たな売上げを創る努力は不可欠です。
関連がない事業への進出の間違い
「隣の芝生は青く見える」と言われていますが、どの市場も厳しい経営環境に置かれています。伸びているとされている市場も、新規参入が相次ぎ、レッドオーシャンになることに変わりありません。
そのような市場で、強み(コア技術や市場の熟知)を発揮できない市場で、高収益事業を展開できるはずがありません。
だからと言って、安易にFCに加盟するのも最善の方法とは思えません。
仮にFCのシステムが良くても、運営するのは人間です。
人材のメドが立たないかぎり、FC加盟も控えるべきです。
できるだけ多くの人向けの商品や情報発信しようとする間違い
現在の事業が伸び悩み、あるいは、低迷しだすと、売上げを伸ばすために商品や提供方法も、できるだけ多くの人に買ってもらえるようにと考え始めます。また、販売促進についても、ホームページを作り直し、インターネット広告を出し、パンフレットやチラシを増やすのは常とう手段です。
その際に気を付けなければならないのは、「皆さん向け」の商品や提供方法に変更したり、情報発信をしたりすることです。
これは間違いです。
これほど、類似商品が氾濫している時代に、「皆さん向け」(総花的)の商品や提供方法が魅力的なはずはありません。
また、情報が氾濫している状況で、「皆さん向け」(総花的)の情報発信が、ターゲット客に届くことはほぼありません。
不況になればなるほど、顧客ニーズを細分化して、それぞれの顧客に向けて、「私からあなたへ」と焦点を絞り、「皆さん向けの商品・サービス」から「あなたのための商品・サービスへ」にシフトしてください。
大変リスクがありそうに思え、めんどうくさい方法ですが、一番確実な不況対策です。
不況対策の具体的な内容は、下記のセミナーで学べます
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