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「和室」を欧州・台湾に輸出
市場はどこにあるか?
秋田県の菊地合板木工株式会社は、国内で和室の需要が落ち込むなか、持続成長の基盤を築くため、海外販路の拡大に力を入れています。職人の技を生かした、「和紙を使った障子スクリーン」は、ロシアで販売しました。
「組み立て式の和室」を欧州や台湾に輸出、将来的には東南アジア市場の開拓も計画しています。
厳しい事業環境下で、海外に目を向ける契機になったのは、日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受け、2009年、欧州最大のインテリア・デザイン見本市、「メゾン・エ・オブジェ」へのオンライン出展でした。
「障子スクリーン」は、室内を仕切るパーテーションとして使用します。
日本の伝統的な和紙を生かす一方で、海外の消費者の好みに対応するため、和紙に施すデザインを、オランダの風車の絵柄にしたり、白木で縁取る塗装に改良を加えたりしました。
この結果、ロシア・モスクワの家具卸売・小売業者との商談につながり、計486セットを販売したそうです。
一方、2013年に出展した台湾の展示会をきっかけに、「組み立て式和室」を輸出販売するようにしました。
建具や障子などをセットで販売し、現場作業の手間を軽減、2人の大人が3~4時間で組み立てられるといいます。
価格は4畳半タイプが100万円前後で、これまでに台湾とオーストリアでの販売実績があるそうです。
今後、一回り小さい3畳タイプを製品化、コンパクトさを求める需要に対応していきます。
グローバルニッチ
ニッチな事業でグローバル化することは可能です。ただし、そっくりそのまま輸出するのではなく、輸出先の用途に合わせる必要があります。
つまり、新しい用途を開発するのです。
ドラッカーは、「わが社の市場はどこにあるかではなく、そもそも市場はどこにあるか」と問わなければならない」と述べています。
そして、「わが社の商品からスタートするのは、販売であってマーケティングではない」とも述べています。
このような視点で国内・海外を見ると、ニッチな市場はどこででも見つけることができます。
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2021/10/18