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値上げの手順 提供価値と顧客の関係


提供価値と顧客の関係

 

価値観の多様化にどう対応するか

価値観が多様化しています。
これは、経済の先進国にみられる共通した傾向です。
この状況は、マズローの欲求の5段階説で説明できます。

最貧国では、生きることが最優先されますので、ほとんどすべての人が「生きたい」という欲求(価値観)を持っています。
したがって、求める商品やサービスは、生きるための食べ物、衣類、住居などに限定されます。
生きることを確保できれば、次に安全、社会性、承認を求めるようになります。 つまり、経済が豊かになるにしたがって、欲求がより高次のものに変わっていくということです。

高次になればなるほど、価値観(欲求=ニーズ)は多様化し、それを満たすための商品・サービス・提供方法も多様化せざるを得ません。
ところが現在の日本は、承認欲求を求める経済大国になったのですが、国際競争力が失われに連れつつあります。
それにつれて、ふたたび貧富の差が大きくなり、生存・安全・社会的・承認欲求が混在する複雑な社会になりました。
したがって、単一の欲求階層ではないので、市場への対応も複雑なものになっています。
ですから、対象にすべき顧客の、満たされていないニーズを絞り込んで、提供する価値を明らかにしたうえで、商品・サービス・提供方法を設計しなければ、売れる仕組みをつくることができません。
 

どんな価値観を持つ顧客を対象にすべきか?

売れる仕組みは、対象にすべき顧客ニーズと、そのニーズに応えるための「他社とは違う商品・サービス・提供方法」でつくらなければなりません。
つまり、独自化(オンリーワン)や差別化(ニッチトップ)が必須条件になります。
独自化や差別化するためには、多様化した価値観(欲求=ニーズ)のなかから、上手に対応できるニーズに絞り込む必要があります。

そこで問題になるのが、どのような価値観を持つ顧客の、どのようなニーズに応えるべきかを、勇気を出して特定しなければならないことです。
つまり、ドラッカーのいう「顧客は誰か、どこにいるか」「その顧客が持っている価値は何か」「購入目的は何か」「顧客はどこにいるか、どのようにして顧客に到達するか」などの質問に答え、対象にすべき顧客像を明らかにしていくのです。
そして、特定顧客層の特定ニーズに、他社がやらない商品・サービス・提供方法で応えると、自社の望む条件で買ってもらえたり、客離れしない値上げが実現できたりします。

客離れしない値上げの手順を、

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2021/03/31

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