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値上げと顧客増は両立できる
価格と品質の関係
ほとんどの人、「料金が高いなら、それだけ品質が良いに違いない」というイメージを持っています。たとえば、ニッチ先生が主催する【藤屋式ニッチ戦略塾】で、1本2,000円と10,000円のワインのイメージを聞いたことがあります。
2,000円のワインは、日常の食事やくつろぎたい時に飲むイメージだそうです。
一方の10,000円のワインは、結婚記念日などの特別の日に飲むイメージだと、異口同音に言っていました。
ちなみに、ニッチ先生の質問は、2本のワインの金額を告げただけです。
つまり、価格が品質のイメージを決めるのですね。
価格を戦略としてとらえる
マーケティングとは、どこの・どの分野を狙うかという視点で、- 市場をセグメント(細分化)し
- 誰に売るかターゲティング(特定)し
- 競合との違いを明らかにするためポジション(違い・特徴)を決めたうえで
この際、もっとも手っ取り早いのが、【価格をセグメントの基準にする】ことです。
しかし、前回のブログでもお伝えしたように、
価格を戦略的にとらえずに、単にコストを計算して、業界で一般的な粗利益率を乗せている企業がほとんどです。
そんな戦略性がない価格の決定方法では、独自化どころか、差別化も難しくなります。
価格は、あくまでも戦略の一部としてとらえるべきです。
価格でポジショニングする
一般大衆(できるだけ多くの人)を追いかければ、貴社の商品は特徴がない商品になってしまいます。大衆とは平均的な(特徴がない)人のことです。
その人たちの気分を害さずに満足させるには、尖った部分を丸くするような、妥協と一般化が求められます。
たとえば、
- 平均的な機能
- 平均的な品質
- 平均的な価格
- 平均的なサービス
- 平均的な納期
これらを基準に、少し何かを良くしただけでは、特徴として市場に伝わりにくいし、仮に特徴として評価されても、すぐに他社にマネされます。
そのような、その他大勢の商品に埋もれてしまうようなことから脱却しなければ、利益は上がらず、やがて市場から淘汰されてしまいます。
それよりも、まずは、貴社の強みを発揮できる、【一番小さい市場の開拓】からはじめましょう。
貴社の強みを価値あるものにするには、「最低、何人の顧客に支持される必要があるか」を考えるのです。
貴社の対応能力に制約があるのであれば、「対象にしたい顧客を、どんな人たちで構成するか」に集中します。
たとえば、100人しか対応できないのであれば、どんな100人にするのかを、まず決めるのが一番いい方法です。
その際に、もっとも分かりやすいメッセージが価格です。
つまり、「価格でポジショニングする」のです。
たとえば、まず、価格を倍にして違いを示し、市場の目を引いたところで、3倍、4倍にした価値(=イメージ)を、ターゲティングした顧客像だけに対して訴求します。
そうすると、「これは自分(自社)のための商品だ」という認識してもらえます。
そのような顧客は、思っている以上にたくさんいます。
つまり、対象にしたい顧客を絞り込むことでメッセージが伝わりやすくなり、値上げしたうえに、買ってくれる顧客も増えるのです。
これは、机上の空論ではなく、主催する【藤屋式ニッチ戦略塾】の塾生さんたちが証明している現実です。
『値上げ戦略』に関心がある方はこちらもどうぞ!
2021/02/05