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値上げ戦略 生き残る力


値上げ戦略 生き残る力
 

財務の視点から経営課題を直視する

損益分岐点というのがあります。
損益分岐点とは、売上高とコスト額がイコール、言い換えれば「利益=ゼロ」になる売上高のことです。
この損益分岐点が高いほど、少しの売上減で赤字に陥ります。
逆に、損益分岐点が低いほど、景気の低迷・失客・アクシデントに強いということです。
 

売上高増かコスト削減か

損益分岐点を下げるには、固定費率を下げるために売上高を伸ばす方法があります。
それと、コスト(原価・販売費及び一般管理費)を削減する方法があります。
しかし、損益計算書の各費用項目を精査しても、削減できる余地は限られているのではないでしょうか。
そうすると、画期的な損益分岐点の引き下げはできません。
 

販売量増か値上げか

売上増で損益分岐点を引き下げる場合、販売量を増やす方法と、値上げによる方法があります。
販売量を増やす方法では、ほとんどの事業形態で、販売増に伴って作業量が増えますので固定費が増えます。
固定費が増えれば損益分岐点が上がり、その効果はおもったほどではありません。

また、販売量を増やすためには、販売先を増やすことも必要になります。
そうなると、特徴がなければ価格競争に巻き込まれ、損益分岐点がさらに高くなる可能性が大きくなります。

あるいは、一社あたりの販売量を増やさなければなりません。
一社あたりの販売量を増やすと、力関係に変化が現れ、値下げ圧力が強まります。

いずれにしても、損益分岐点の引き下げは、難しいなります。

一方の値上げは、特徴がある商品・サービス・提供方法であれば可能です。
同じ取扱量で売上が増え、固定費が増えることはありません。
仮に増えたとしても、微増ですみます。
 

価格は提供する価値にふさわしいか

値上げの前提条件は、商品・サービス・提供方法に特徴があることです。
これまで、数百社の中小企業と深くかかわってきました。
そして分かったことは、特徴がある商品・サービス・提供方法を持っているにもかかわらず、提供する価値にふさわしい価格設定ができていないという現実です。

あなたの会社はどうですか?
提供している価値にふさわしい価格を設定できていますか?

値上げするのはリスクがあります。
リスクをゼロにすることはできません。
しかし、損益分岐点が高いままの経営を続けるリスクよりも、値上げのほうが、はるかに負うべきリスクは低くなります。
値上げは、やり方によって限りなくリスクゼロに近づけることができるのです。
 

値上げが継続的に儲かる最善の方法

以上のように、先行きが不透明になるほど、値上げにより損益分岐点の引き下げが必要不可欠になってきます。
商品・サービス・提供方法に特徴があれば、値上げは可能です。
その根拠は【ドラッカーの生態的ニッチ戦略】です。

なお、【ドラッカーの生態的ニッチ戦略】については、改めてご説明します。

『値上げ戦略』に関心がある方はこちらもどうぞ!

2021/01/15

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