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値上げ戦略 3つの事業チャンス
弱みをチャンスに変える方法
ドラッカーは、「事業機会は、3つの問いによって明らかにされる」(創造する経営者)と言っています。それが、
- 事業を脆弱なものにし、成果を阻害し、業績を抑えている弱みは何か
- 事業内においてアンバランスになっているものは何か
- 事業に対する脅威として恐れているものは何か
これらは企業ごとに異なりますが、すべての企業に共通しているものもあります。
それが次の3つです。
- 十分に粗利益率をとれない価格設定力の弱さ
- 「提供する価値」と「価格」のアンバランス
- 少しの景気低迷や競争激化により赤字に転落する事業体質
それが「値上げ」です。
値上げの魅力
たとえば、パン屋さんを事例に考察してみましょう。100円で売っているパンで5円の利益が出ているとします。
これを、
- 110円に値上げすると15円の利益になり、利益率が300%アップ
- 120円に値上げすると25円の利益になり、利益率が500%アップ
- 150円に値上げすると55円の利益になり、利益率が1,100%アップ
- 200円に値上げすると105円の利益になり、利益率が2,100%アップ
105円の利益を稼ごうと思えば、200円のパンは1個売ればよいのですが、100円のパンでは105個売らなければなりません。
1日に10,000円の利益をあげるためには、200円のパンは100個、100円のパンでは2,000個売らなければなりません。
1人が1個買うとして、200円のパンは100人のお客様ですから、1人でも十分対応できますが、100円のパンでは2,000人のお客様になりますので、人を雇い、店舗を広げ、長蛇の列を整理する警備員も必要になるかもしれません。
そうすると、1個から5円の利益をあげることができなくなり、さらに販売個数(お客様の数)を増やさなければならなくなります。
値上げするには特徴を打ち出すこと
他店では買えない美味しい(特徴ある)パンであれば、価値に見合った価格にあげることができます。また、損益分岐点が下がり、多少の不況にもビクともしない高収益体質が築けます。
しかし、あなたは、「それは机上の空論だ。値上げできるものなら、はるか昔に値上げしている」と、反論するかもしれませんね。
しかし、何もできないというのは間違いです。
実際、ニッチ先生が主宰する【藤屋式ニッチ戦略塾】の、特徴がある商品やサービスを持つ塾生さんの多くは、値上げした上に、売上げまで伸ばしています。
具体的な方法は、後日のブログで紹介しますが、「業界の常識を疑い」「社内の当たり前を疑い」「自社商品の特徴(独自化や差別化)を打ち出す」ことから始めてください。
そして、モノを買ってくれる顧客ではなく、貴社の商品やサービスの価値を買ってくれる顧客にフォーカスして(焦点を合わせて)ください。
そのためにも、口コミや紹介でお客様を増やしてくれる熱烈なファンや信者さんが、何人いれば貴社の経営が成り立つのかを考えてください。
その熱心なファンや信者さんが、池に投げ込んだ石によってできる波紋のように、お客様を増やしてくれます。
その数は10人ですか、20人ですか、30人ですか。
それくらいの数でよいのであれば、あれこれ考えるよりも、その10人、20人を満足させる商品・サービス・提供方法を充実させて実行したほうが、リスクなく値上げできると思いませんか?
『値上げ戦略』に関心がある方はこちらもどうぞ!
2021/01/08