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今こそドラッカーを学ぶべき


今こそドラッカーを学ぶべき
 

ドラッカーはオワコンか?

ドラッカーは、20世紀が生んだ最高峰の思想家であり、経営学者であり、経営コンサルタントという3つの顔を持っていました。
ご本人は、『社会生態学者(ソーシャルエコロジスト)』を自認しており、ときには『ライター(物書き)』と名乗っていました。

さて、21世紀になった今、ドラッカーは「オワコン」(終わったコンテンツ)なのでしょうか。
ニッチ先生はそうは思いません。
次のドラッカーの文章を読むと、終わったどころか、ますます重要な方針を与えてくれることがわかります。
 

環境変化に適応せよ

たとえば、経営環境が大きく変化しつつあったところにコロナショックが発生し、変化のスピードと振れ幅が大きくなりました。
そのため、多くの市場へのこれまでとは根本的に違う対応が求められています。
それについて、ドラッカーに従えば、次のような対応が必要にあります。
なお、ドラッカーは「数年ごとに」と言っていますが、「大きな変化があったとき」も加える必要があります。
 
あらゆる製品、内向け外向けのあらゆるサービス、あらゆるプロセス、あらゆる活動が、数年ごとに「まだ手がけていないと仮定して、その明らかになった新しい知見をもってしても、手をつけることが得策と考えるか」という問いをもって裁かなければならない。
もし答えが「ノー」であれば、「調べてみよう」とはいわずに、「どうすれば手を引けるか。あるいは、どうすれば少なくともこれ以上資源を投入せずにすむか」を問わなければならない。
『乱気流時代の経営』
 

強みを活かし、さらに強化せよ

また、ドラッカーは、「顧客が事業であり、強みが事業である」と言っています。
独自化や差別化を生み出すものが「強み」だからです。
混沌として、先行きが見えない今日においては、、ドラッカーの次の質問に答えることで、やるべきことが見えてきます。
あらゆる者が、強みによって報酬を手にする。弱みによってではない。したがって、つねに最初に問うべきは、「我々の強みは何か」である。
そして、次に問うべきが、「そのわれわれの強みは、適切な強みか」「明日の機会に適した強みか、昨日の機会に適した強みか」「その強みを、もはや機会が存在しないところや、そもそも機会が存在しなかったところに向けていなかったか」である。
そして最後に問うべきは、「さらにいかなる強みを手にしなければならないか」「人口構造、知識や技術の変化、世界経済の変化によってもたらされる環境の変化、機会、乱気流を利用するには、さらにいかなる強みを身につけなければならないか」である。
『乱気流時代の経営』
 

ドラッカーの生態的ニッチ戦略

ドラッカーは大企業だけに通用する経営(マネジメント)理論なのでしょうか。 そうではありません。「ドラッカー理論は大企業のもの」というのは、たんなる都市伝説みたいなものです。 ドラッカーの代表作である『マネジメント』には、小さな学園都市で大学の教員や学生相手専門の個人不動産業の事例も出てきます。 また、「中小企業の戦略」として、
小企業と大企業は択一的な存在ではなく補完的な存在である。小企業は戦略を必要とする。小企業は限界的な存在にされてはならない。その危険は常にある。したがって、際立った存在となるための戦略を持たなければならない。ニッチを見つけなければならない。 『エッセンシャル版 マネジメント』
と書いています。そして、次のように続けています。
小企業は、生物学の用語でいえば、自己にとって有利な、また、競争に耐えうるような生態的空間を見つけ出さなければならない。
しかし、現実には、ほとんどの小企業が、戦略をもたない。ほとんどの小企業が、機会中心ではなく問題中心である。問題から問題に追われて毎日を送っている。だからこそ小企業の多くが、成功しないのである。
『抄訳 マネジメント』
これらを読むだけでも、ドラッカーが中小企業にも適用できることは明らかです。
その適用の仕方ですが、下記の「生態的ニッチ戦略」の視点から、ドラッカーの教えを実践することです。
総力戦略、創造的模倣戦略、柔道戦略という3つの企業家戦略は、市場や業界の支配はねらわなくとも、トップの地位を目指す。これに対し、生態的ニッチの占拠を目指す生態的ニッチ戦略は目標を限定する。
=中略= 生態的ニッチ戦略は限定された領域で実質的な独占を目指す。先の3つの戦略が競争を覚悟しているのに対し、生態的ニッチ戦略は競争に免疫になることを目指し挑戦を受けることさえないようにする。
生態的ニッチ戦略に成功しても名をあげることはなく実をとるだけである。それらの企業は、目立つことなく優雅に暮らす。その戦略のポイントは、製品としては決定的に重要でありながらほとんど目立たず誰も競争しにこない点にある。
『イノベーションと企業家精神』
 

今こそ、ドラッカーを学ぶべき

今日、少子高齢化、相対的な日本の地位の低下、インターネットの普及、情報技術の進化、AIの進化、グローバリゼーション、コロナショックをきっかけに急速に定着しつつあるリモートワークなど、中小企業の経営基盤を揺るがす根本的な変化が起こっています。
そのような、今だからこそ、中小企業はドラッカーの教えにのっとり、非競争の生態的ニッチ市場を確保してください。

ドラッカーの生態的ニッチ戦略を実践すれば、独自化、少なくとも差別化を図れますので、【値上げ】も【売上げアップ】も実現できます。

『値上げ戦略』に関心がある方はこちらにどうぞ!

2020/12/22

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