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事業戦略 独自化のための6つの質問


独自化のための6つの質問
 

外部から自社の事業を見る視点

「自画自賛」という言葉がありますが、自分たちだけが独自化している、差別化していると思っていても、お客様からは、そう思われていないケースが多いものです。
マニアックなお客様以外には、明らかな違いしかわかりませんし、わかろうとしません。
あなたがこだわるほど、あなたの会社の商品やサービスは関心がないからです。
そこで、事業を大局的な視点からみた、次の質問に答えてみてください。
  1. マズローの『欲求の五段階説』の、どの欲求に対応しているか?
  2. 貴社の事業は、他社・他国ならば、もっと安く、速くできるか?
  3. 貴社の事業は、AI・ロボットなら、もっと速く、安く、確実にやれるか?
  4. 貴社の事業は、独自化(or差別化)できているか?
  5. 貴社の事業は、儲かると知られたらマネされるか?
  6. では、どうするか?
 

マズローの『欲求の五段階説』の、どの欲求に対応しているか?

人の脳は、基本的な欲求を満たすことを最優先します。
心理学者のマズローによると、その基本的な欲求(ニーズ)は、「生存の欲求」「安全の欲求」「愛と帰属の欲求」「承認の欲求」「自己実現の欲求」の5段階になっています。

したがって、商品・サービス・提供方法は、これら5段階のどの欲求に応えるものなのかを明確にしないと、対象とするお客様の琴線(脳)に触れることができません。
さて、あなたの会社の商品・サービス・提供方法は、どの段階の欲求を満たすためのものですか?
 

貴社の事業は、他社ならば、もっと安く、速くできるか?

仮に、現在の競合環境では、あなたの会社の商品・サービス・提供方法が群を抜いているかもしれません。
しかし、新たに参入してくる可能性はつねにあります。
そこで、新規参入の可能性、既存企業の改善・改良により、自社の優位性がなくなるリスクを考えておく必要があります。
さあ、いかがでしょうか。
どこが挑んできても大丈夫でしょうか?
それとも、「このような会社が本気になったらヤバイ」になるでしょうか?
 

貴社の事業は、儲かると知られたらマネされるか?

ライバルは、人間だけではありません。
規格品、大量生産品、ルーティンワーク、図面・会計処理などのデータ処理業務などは、人間よりもロボット、AI、コンピュータのほうが、速く・安く・確実にできます。
あなたの会社の仕事は、これらに置き換えられる可能性がありますか?
もしそうだとしたら、人手をかけて付加価値をつけられるかどうかを考えてください。
 

貴社の事業は、独自化(or差別化)できているか?

あなたの会社の提示した価格が通るかどうかは、独自化や差別化の状態で決まります。
競争環境に身を置いている商品やサービスは、かぎりなく原価近くまで価格は下がるでしょう。
しかも、あなたの会社の原価ではなく、もっとも安く製造や仕入れをしている会社の原価にまで下がるのです。
そうならないためにも、生態的ニッチ(非競争で、占有できる市場)を確保してください。

なお、生態的ニッチは、ニーズがあるのに対応していない分野、対応しているが十分にお客様のニーズに応えきれていない分野にあります。
つまり、事業者側の論理で、市場規模が小さすぎる、業界の非常識、儲かりそうにない、めんどうくさいなどの理由で放置または軽視されている分野にあります。
 

貴社の事業は、儲かると知られたらマネされるか?

会社は、自分で未知の領域に先頭を切って入っていくリスクを避けようとします。
しかし、儲かるビジネスだとわかると、雨後の筍のように、雪崩を打って参入してきます。

しかし、市場に魅力がない、業界の非常識、他社からは儲かりそうに見えない、めんどうくさそうであれば、放っておいてもらえます。
じつは、これらの「マネしたくない」ことこそ、小さな会社にとって、最良のマネ防止策(参入障壁)なのです。

基本的に、誰かにできたことは他の人にもできます。ですから、他社にできないことで独自化や差別化しようと考えないことです。独自化のポイントは「マネしたくない」です。
 

では、どうするか?

これら5つの質問に答えることで、現在の事業がどのような状況にあるか、確認できたことでしょう。
そして、この項の質問、ようやく、「では、どうするか?」を発することができる状況が整いました。

この6つの質問は、これまで漠然と考えてきたかもしれません。
あるいは、これらの質問に正面から向き合ったことはなかったかもしれません。
実際に、自問自答してみて、いかがでしたか?
「大丈夫、しっかりやっている」と感じたでしょうか?
それとも、「先行きが急に不安になった」でしょうか?
いずれにしても、現在地からしか目的地には行けませんので、リスタートするには、よい機会になったことでしょう。

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2020/09/16

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