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事業戦略 卸売から直販へ


卸売から直販へ
 

取引先の卸売業者は卸売りの機能を果たしているか?

あなたの会社が卸売業者を流通チャネルに使っているのであれば、次の点をチェックしてください。
卸売業者の役割は、情報提供機能、品揃え機能、金融機能、集荷分散機能を使って、小売業者を支援することです。
  • 情報提供機能は、小売業者に対して有益な情報を提供するものです。現在のような情報社会では、「提案機能」「企画機能」と言い換えたほうが良いかもしれません。したがって、「言ってもらえれば何でも揃えます」では、卸売業者としての機能を果たしていないことになります。
  • 品揃え機能は、小売業者が、揃えることができない品揃えができることです。しかし、現在は、アマゾンやモノタロウのようなネット通販の会社のほうが品揃えも充実しています。
  • 金融機能は、後払いで仕入れて商品を販売して現金化し、その中から仕入れ代金を支払うというものです。かつては約束手形で仕入れていたので、入金と出金の差が2ヶ月~3ヶ月あり、銀行から借り入れしなくても、資金を回すことができました。しかし、現在では、ペイペイ・ペイパル・マネーフォワードなどの決済機関を使って仕入れ、ペイペイ・ペイパルなどの決済機関を使って販売すれば卸売業者の金融機能は不要になります。
  • 集荷分散機能は、メーカーから大口で商品を集めて、小売業者に小口で配送していました。しかし、今ではメーカーはネットで直販し、宅配業者が配送しますので、よほどのことがないかぎり、この機能を卸売業者のほうが上手にできることはなくなりました。
 

発展性がない会社との取引は足かせでしかない

多くの卸売業者は、3K(きつい・汚い・危険)と思われている業種のひとつです。
あるいは、新手の3K(きつい・帰れない・給料が安い)かもしれません。
ということで、若い優秀な人材に敬遠される傾向があります。
また、とくに中小の卸売業者は、IT化が遅れており、旧態依然としたGNP営業(義理、人情、プレゼント=値引き)のところもあります。
このような卸売業者と付き合っていては共倒れになるだけです。
今後の取引は、企画提案してくれる卸売業者にシフトしていきましょう。
そのような卸売業者がなければ、直接販売に切り替えることです。
 

あなたの会社は卸売業者からみて魅力的か?

では、企画提案力がある卸売業者であれば、どこでもいいのかといえば、そうでもありません。
あなたの会社にとって魅力的な卸売業者であっても、卸売業者からみてあなたの会社が魅力的でなければ、本気で付き合ってもらえません。
卸売業者もビジネスですから、自社にメリットがある会社と優先的に取引するのは当たり前です。
「そこを何とかお願いします」は通用しません。

インターネットがタダ同然で活用できる時代です。
ネットを使った情報発信も、その方法を教えてくれる有益な情報がネットにはあふれています。
また、直販をサポートしてくれる専門業者もたくさんあります。
ノウハウとしては高いと感じるかもしれませんが、卸売業者に支払っている手数料(直販との価格差)に比べると、取るに足りません。
要は、どちらに支払うと安くて良いものになるかの問題です。
 

卸売業者のライバルはどこか?

あなたの会社が卸売業者であれば、前述した卸売業の4つの機能(情報提供、品揃え、金融、集荷分散)から、自社の特徴を分析してみてください。
その際、ライバルは同業他社ではありません。
あなたの会社のライバルは、グーグル、YouTube動画、アマゾン、モノタロウ、ペイペイ、ペイパル、佐川急便などです。
これらは、総合的な卸売り機能としては、あなたの会社に劣るかもしれません。
しかし、それぞれの専門分野になるとバツグンの強みをもっています。
また、お客様から見ると、4つの機能をひとつの会社に頼る必要はありません。
優れたものを上手に使い分ければよいからです。

このような観点から、あなたの会社は、どのようなお客様を対象に、どのような特徴で生き残っていくのかを熟考してください。
その解決策のひとつが、卸売会社から「仕入機能を持った企画会社」に転換することです。
 

「卸売会社」から「仕入機能をもった企画提案会社」へ

情報社会は知識社会であり、知識社会とは知恵比べの社会と言い換えることができます。
どんなに便利でも、売れる商品や提供方法がなければ、その便利さを活かすことができません。
ビジネスは、基本的には「問題解決業」です。
多くの小売業者は、
  • 誰に売ればいいかわからない
  • 何を売ればいいかわからない
  • どこで売ればいいかわからない
  • どのような販促をすればよいかわからない
で困っています。
したがって、混沌とした市場環境は、あなたの会社にとってビッグチャンスです。
利益があがる企画を提案すれば、適性な粗利益率の価格を設定しても、ちゃんと支払ってもらえます。


以上のように、メーカーは直販にシフトすれば、お客様には安く提供でき、貴社の粗利益率もアップします。
直販が進む流通のなかで、卸売業者は卸売り機能を発揮すれば、生き残ることは可能です。
その仕組みづくりを【藤屋式ニッチ戦略塾】は支援しています。

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2020/09/10

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