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ニッチ戦略 みずくさい話
みずくさいの意味
みずくさい(水臭い)とは、「親しい間柄なのによそよそしい」「他人行儀」という意味です。なぜ、良いと信じている商品を勧めないのか?
過日、藤屋式ニッチ戦略塾の塾生さん(Tさん、美容室を複数店舗経営)と話しているときに、久しぶりに耳にした言葉でした。20代の半ばで独立、開店した当初は、商品の販売はしていませんでした。
そのTさんの美容室では、現在、売上高の20%が商品売上げです。
美容室の平均的な商品の売上高は2%~3%と言いますから、驚異的な数字です。
なぜ、このような数値をあげられるようになったのか?
そこには、創業して数年後に、ある仕入先の社長から言われた「みずくさい」という言葉があったからです。
商品販売に力を入れなかったTさんに対して、「親しくなったお客様に、良い商品をお勧めしないのは、よそよそしいことであり、他人行儀なことだ」と指摘されたのです。
言われてからすぐに商品を積極的に販売し出したわけではなかったのですが、「みずくさい」と言われた言葉は、ずっと残っていたそうです。
数年後に、「みずくさいとは、自分の店においてどういうことか?」が、腹に落ちてから、商品販売に本格的に取り組むようになりました。
その結果、労働集約的な美容室において、他店とは比べ物にならない生産性の向上が実現できました。
その成果を社員さんにも還元することで、社員さんも幸せになり、離職率が高い美容業界で、離職者が驚異的に少ない経営を実現しています。
また、そのようなことが採用にも大きく影響しており、人手不足が常態化しているなかで、新規採用にも困っていません。
もっとも、採用に関しても、他社では考えられないような地道な努力をされています。
提案企業(店舗)になりましょう!
知らなければ買いようがない。それが売買の本質です。
また、「何を買うか?」も重要ですが、「誰から(どこで)買うか?」も同じくらい重要です。
信頼関係を築けているお客様であれば、お客様にとって良いことは、「なぜ、言ってくれなかったの!」と言われる前に、どんどん、ご提案・ご案内していきましょう。
そのご提案・ご案内をどう受け取るかは、お客様の自由です。
御社とお客様は情報のキャッチボールをする関係です。
あなたが情報を投げなければ、お客様は受け取ることができません
。 つまり、キャッチボールすらできない「みずくさい」関係になってしまうのです。
ちなみに、Tさんの会社の商品の売上比率20%なのが、私には納得できません。
同社のお客様の質と、お客様との関係を考えると、売上高の20%程度で収まっていることのほうがおかしいのです。
同社の商品売上げの構成比は、業界平均の10倍かもしれませんが、50%まではいけると思っています。
したがって、客単価をあげる余地は十分に残っていることを指摘させて頂きました。
その結果、同社は現在、まだ残っている「みずくささ」を払拭して、会社全体に占める商品の売上構成比が50%以上にするべく、奮闘努力しているところです。
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2020/05/27