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ニッチ戦略 こだわる人に「存在必需品」を提供する


存在必需品
 

生態的ニッチの本質

生態的ニッチは、「占有できる場所」のことで、生態的ニッチ戦略は、占有(独占)できる市場を確保することです。
あなたも自己所有か賃貸かは別にして、家に住んでいますよね?
その家は他人が勝手に入り込めない占有できる場所・空間です。
そこでは、他人にじゃまされないで食事をしたり、子育てをしたり、睡眠をとったりできます。
家は、ほとんどの人がもっています。それは、「家をもつのが当たり前」になっているからではないでしょうか?

もし、生活上で家をもつのが当たり前のように、「事業でも家と言えるような独占できる市場(領域)をもつのが当たり前」だとしたら、あなたも独占市場をもとうと努力しませんか?

思わないこと・考えないことは実現できませんが、本気で「独占市場をもつ」と考えるようになれば、オンリーワンの市場を創り出すことは可能です。
その独占市場は、家と同じように、都心や高級住宅街にあるかもしれません。
あるいは、郊外の静かな住宅地、ポツンと一軒家かもしれません。
それは、家が経済力によって住む場所や広さに違いがあるように、独占市場も、他社や対象とするお客様、保有する強みによって違ってきます。
仮に、どんなに小さな市場でも、他社が土足で自由に入ってくる市場よりも、独占市場のほうが、居心地がよいのではないですか?
 

存在必需品と存在必需サービスを提供する

小さな会社が対象とすべきお客様は、「こだわりをもつ人」です。
何でもいい、どこでもいい、安ければいい人たちをお客様にしても、あなたの会社が提供する価値(魅力)を認めてくれません。

こだわりの対象は、「機能」「品質」「納期」「接客」「雰囲気」「お客様との関係」「距離」などです。
これらの中から、あなたの会社が他社より上手にできることを、特徴(魅力、セールスポイント)として打ち出してください。

こだわりは自分らしさ(アイデンティティ)の表現です。
自分が自分らしく生きるためには、考え方・行動に一貫性が必要になります。
また、そのための商品やサービスを必要とします。
つまり、「生活必需品」ではなく「生存必需品」(自分が自分であるために必要な商品、ブランドを守るために必要な部品など)を求めるのです。

生活必需品は機能を優先しますが、生存必需品は価値を優先します。
価値には原価がありません。
言い換えれば、量産される工業生産には原価がありますが、嗜好品や芸術品には原価がありません。

粗利益率をアップさせるには、生活必需品・必需サービス、製造必需品・必需サービスではなく、存在必需品・必需サービスを提供するのです。
これは、消費者を対象とするビジネスだけではありません。
こだわりの商品を製造している会社では、部品などにもこだわります。
たとえば、靴の内側に使用されている防水透湿性素材のゴアテックスは、靴をつくる部品の一つですが、防水透湿性にこだわる靴では存在必需品になっています。
 

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2020/05/11

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