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ニッチ戦略 中小企業を戦わずに勝つこと
中小企業は生態的ニッチ市場で
大きな需要(市場=同じニーズの集まり)には大きな会社が応えます。そして、小さな需要には小さな会社が応えます。
しかし、小さな需要だからと言って、手抜きの商品・サービス・提供方法では、お客様はぜったいに満足しません。
多少高くても、自分や自社にピッタリあう商品・サービス・提供方法を求めるのが小さな需要です。
その小さな需要の最小単位が特注品(カスタマイズ)です。
小さな需要は大量生産できないので、高層ビルなどを除いて、どうしても小さな会社の得意分野になります。
その小さな需要に応えてくれる会社は多くありません。
したがって、小さな需要に満足させてくれる会社にはファンが現れます。
そして、そのファンは、口コミや紹介でだんだん増えていきます。
ネット社会ではだんだんではなく、一挙に増える可能性もあります。
しかも、粗利益率が高い商品やサービスとして。これが類友(類は友を呼ぶ)ビジネスの魅力です。
リピーターを対象とした事業展開ですが、軌道に乗せると、楽して儲かるビジネスモデルを構築できます。
生態的ニッチ×粗利益率重視の経営=高収益体質
生態的ニッチとは【適所】です。ニーズがあるのに競合がいない。
そのような市場で、自社の強みを活かした商品・サービス・提供方法で、お客様の心を鷲掴みにします。
そうすると、お客様はファンにならざるを得ません。
なかには、もっと熱心なファンである信者になってくれることもあります。
ファンや信者ほどありがたい存在はありません。
自らリピーターになってくれるばかりでなく、口コミや紹介で新しいお客様を連れてきてくれます。
このような仕組みは、売上高を重視した経営でつくりあげることはできません。
会社の経営は、お客様満足を実現した見返りで適性な利益を上げることです。
けっして自社の利益を犠牲にしてお客様満足を実現することではありません。
粗利益率重視であれば、お客様満足を実現しなければなりませんし、安易な値下げや、お客様の言いなりになることもできません。
そのためには独自化や差別化といった他社にはマネできない商品・サービス・提供方法を設計しなければならなくなります。
なお、マネ防止策(参入障壁)については、のちほど詳しく説明します。
戦わずに勝つ戦略の作成手順
戦略は、方向性を示し、「やるべきこと」と「やらないこと」を明確にします。それによって、ヒト・モノ・カネ・時間を使う分野、使い方、使う量、使うタイミングが決まってきます。
だからと言って、戦略(や経営計画)は、思考や活動を拘束するものではありません。
経営環境の変化には、迅速に対応しなければなりません。
つまり、経営とは、基本と原則に基づいて行うものですが、決して機械的に行うものではありません。
それをドラッカーは、「経営は科学(サイエンス)であり、芸術(アート)だ」と表現しています。
サイエンスの部分は教え学ぶことができます。
また、芸術も基本と原則は教え学ぶことができます。
たとえば、ピカソは破天荒と思える絵を描きますが、デッサン力はハイレベルでした。
また、『にんげんだもの』で有名な相田みつをも、一見、へたくそな字に見えますが、書の最高峰のひとつとされる毎日書道展に1954年から7年連続入選するなど、高い書道の技能を持っていました。
つまり、基本がしっかりしていないと応用もできないということですね。
会社の経営も同じです。
基本を知らなければ応用もできません。
たとえば、運動神経が抜群な子どもでも、自分で好き勝手に練習したからと言って、プロの運動選手にはなれません。
同じように、戦略の設計にも基本と原則があります。
基本と原則を踏襲したからと言って、優れて戦略を設計できるとはかぎりません。
しかし、基本と原則を無視した戦略は、機能しません。
もっとも、天才はどこの世界にもいますので例外はあります。
しかし、天才は本書の読書対象ではありません。
学び、実践して業績をあげたい小さな会社の経営者が読書対象者です。
したがって、あなたは、ドラッカーの考えに基づいた、次のステップで戦略を設計してください。
- ステップ1:理想事業を設計する・・・・・・・どんな事業にしたい?
- ステップ2:強みを再認識する・・・・・・・・何が他社より上手にできる?
- ステップ3:対象顧客を特定する・・・・・・・誰に売りたい?
- ステップ4:お客様満足の仕組みをつくる・・・何を売る? どんな風に売る?
- ステップ5:情報発信の仕組みをつくる・・・・誰に・何を・どんなふうに伝える?
- ステップ6:1枚のシートにまとめる・・・・・目的・目標・手段を見える化すると?
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2020/05/07