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新規事業創出セミナー 多角化の進め方
多角化のメリット
多角化のメリットとして考えられるのは、次の4つです。
- 強みの活用:強みは努力であり、努力はコスト。コストは可能なかぎり早く、多く回収しなければならない
- 相乗効果:関連性がある分野への進出は、ノウハウの蓄積や顧客の共有、顧客の囲い込み、資源の有効活用などが期待できる
- リスク分散:事業や市場のライフサイクルに対応できる。また、大きな不況には対応できないが、小さな不況では効果を発揮する
- マンネリ防止:経営者も従業員も同じことをやっていると飽きる。モチベーションを維持するためには、刺激が必要である。それには、新規事業の創出への取り組みが効果的である
多角化の方向
多角化の方向は、(1)川上・川下・水平の3通りと、(2)商品開発・市場開拓の2通りがあります。 これら(1)のどれかと、(2)のどちらかを組み合わせで多角化を進めていきます。
川上を統合する多角化
たとえば、小売業者や卸売業者が商品製造を始めるようなものです。
この代表的なものにユニクロなどの「製造小売(SPA)」があります。
小売業者が、自社企画の商品が持てるようになるメリットがあります。
また、卸売業者を中抜きするために、利幅が大きくなります。
ただし、デメリットとして、製造のための固定費の割合が大きくなるため、売上げ不振に陥ったときに、ダメージは大きくなります。
川下を統合する多角化
たとえば、印刷会社が出版社を買収するようなケースです。
販売先を確保するには、最適な方法です。
しかし、この方法も固定費が増えますので、売上げ不振に陥ったときには、ダメージが大きくなります。
水平に展開する多角化
これまで対応していた以外の市場(他の地域・他の国への拡大、男性用品から女性用品への進出など)に出るようなケースです。
他の地域には、新たな競合がありますし、海外には商慣習・文化・規制などの違いもあります。
また、男性市場と女性市場は、まったく別物だと考えたほうが良いでしょう。
たとえば、同じ髪を切るにしても、理容室と美容室では、天と地ほども違う市場であることを理解しておく必要があります。
商品開発での多角化
既存の市場に新しい商品を投入するケースです。
たとえば、小林製薬は、薬の卸売業でしたが、メーカーに転換し、大衆薬だけでなく芳香剤などの生活雑貨の商品を開発しました。
市場開拓での多角化
たとえば、鉄道会社は、輸送業から、生活環境の提供業に事業を定義し直し、沿線に、住宅を建て、不動産業に進出し、スーパーマーケットをつくりました。
また、始発駅と終着駅にはデパートと遊園地などのレジャー施設もつくりました。
多角化 強みを活かす2つのアプローチ
市場の知識を活用した展開
既存の市場の知識を活用して、その市場に不足しているモノを投入する方法です。
市場を知っていると言うことは、その市場のニーズも知っていると言うことです。
また、市場のニーズを収集しやすいということでもあります。
優れた会社は、顧客の業務について、顧客以上に熟知しています。
たとえば、星野リゾートは、自社の旅館を再生した運営知識(ノウハウ)で、他の温泉旅館やリゾートホテルの運営支援・運営代行業に進出しました。
核となる技術を活用した展開
たとえば、富士フイルムは、写真用のフィルムをつくる会社でしたが、 写真用フィルムには、フィルムそのものに関する技術はもちろんのこと、光学(光とレンズ)技術も必要でした。
また、レントゲン写真用のフィルムも製造していましたので、医療機械についての知識も持っていました。
そこで、医療機械の製造販売に乗り出しました。
さらに、写真用のフィルムを製造するための素材としてのコラーゲンや、フィルムへの塗布技術なども持っていました。
そこで、化粧品の製造販売に乗り出しました。
多角化の留意点
既存の知識や技術だけで新規事業を創出できると考えてはいけません。
新しい事業には、必ず新しいノウハウが必要になります。
したがって、新規事業が成功した状況から逆算して、「自社に足りない知識や技術は何か?」を自問自答する必要があります。
これをしなかったばかりに、折角のアイデアがムダになるケースが後を絶ちません。
反対に、「成功したら、何が必要になるか?」を自問自答する必要があります。
追加投資が必要になるかもしれません。
人材や資金が必要になるのは当然のことでしょう。
また、ごく自然な流れとして、御社の成功を嗅(か)ぎつけて、競合が参入してきます。
そのとき、「どのような手を打つか?」も考えておかなければなりません。
このような基本的なことを理解したうえで、多角化のための新規事業創出を行ないましょう。
このような思考とスキルで新規事業を創出するセミナー
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なお、参加者が競合関係になる場合、後からお申込み頂いた方の参加をお断りします。あしからず、ご了承ください。
2019/09/20