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藤屋式ニッチ戦略の事例
◆10本から受注するOEM化粧品製造販売◆
名古屋市に本社を置く株式会社ノースポイントは、独自理論の化粧品を製造販売する会社です。
同社は、OEM(相手先ブランドで製造)も手掛けています。
発注者からみれば、オリジナルブランドの製造をアウトソーシングする会社です。
たんに、OEMするだけの会社ならば、国内だけでも数えきれないほどあります。
では、何が同社の戦略をニッチにしているのでしょうか?
◆同社の藤屋式ニッチ戦略◆
一般的に、化粧品メーカーがOEMで受注する場合の最小ロットは3,000本単位です。
たぶん、1,000本から受注する会社も極めて少ないと思われます。
そうした中で、同社は10本からOEMで受注できる体制を整えました。
10本だと3人未満の小さな、サロン(美容室)でもオリジナル化粧品を揃えることができるようになります。
この10本という受注単位が超ニッチなのです。
他社が追随する気がしないような仕組みを創り出し、「10本から受注するOEM化粧品製造販売」という市場をペルソナイズしたのです。
◆ペルソナイズとは◆
ペルソナイズとは、「名前を付けて自社占有の市場にすること」です。
これは、ピーター・ドラッカーの生態学的戦略の定義である「競争に免疫になろうと戦略であり、挑戦を受けることさえないようにすることを狙いとする」にも合致します。
ペルソナイズこそ、究極のニッチ戦略と言えるでしょう。
◆ペルソナイズするために◆
究極のニッチ戦略であるペルソナイズですが、どのような観点から仕組みを創ればよいのでしょうか?
基本期には、
- 大手企業が入ってこない市場を狙う
- 業界の非常識なことを行う
- 面倒なことを積極的に行う
- 一見、儲かりそうにないビジネスモデルにする
なお、面倒くさいとは、
- じっくり時間をかける
- しっかり手間をかける
- 手離れを悪くする
- 効率よりも効果を優先する
とても面倒くさくなり、外部からみると儲かりそうには思えないので、追随してくる会社はありません。
ただし、株式会社ノースポイントは、新しい市場を生み出したのですから、その存在を知っている人は皆無です。
同社がやるべきことは、徹底した告知活動、普及活動です。
ちなみに、弊社は、名前を付けて自社占有の市場にする戦略に、【ペルソナイズ戦略】という名前を付けました(商標登録出願済み)。
2019/09/20